長崎市は9月2日から、性的少数者(LGBT)のカップルを公的にパートナーとして認める「パートナーシップ宣誓制度」を始める。法律上の婚姻ではないため、税制面などへの効力はないが、当面、市立病院の入院や手術時の親族同意書にパートナーがサインできたり、家族向けの市営住宅にカップルで入居できたりするという。今月16日に告示。県内の自治体では初めての制度導入となる。
市によると、パートナーシップ関係とは「一方または双方が性的少数者である二人の者が、互いを人生のパートナーとし、日常生活において、経済的または物理的、かつ、精神的に相互に協力し合うことを約した関係」を指す。制度に対する社会の理解が深まることで、民間事業者が性的少数者である従業員に対し、扶養などの福利厚生面を充実させることも期待されるという。
宣誓条件は▽成年(20歳以上)▽双方に配偶者や別のパートナーがいない▽2人とも市内在住▽2人とも市内に転居予定▽1人が市内在住で、パートナーが市内に転居予定-など。希望するカップルは事前に「市人権男女共同参画室」に宣誓日時を予約し、戸籍謄本や住民票などを用意。当日は必ず2人で市役所を訪れ、宣誓書と書類を提出する。要件を満たしていれば運転免許証サイズの「宣誓書受領証」が交付される。カップル関係が解消されたり、いずれかが亡くなったりした場合は、受領証を返還しなければならない。
昨年6月の定例市議会一般質問で池田章子議員(市民ク)がパートナーシップ制度の導入を求め、市は制度設計を進めてきた。担当者は「性的少数者の方に積極的に制度を利用してもらい、今後も暮らしやすいまちづくりに向け取り組みたい」としている。
「パートナーシップ宣誓制度」9月2日開始 長崎市、県内初の導入
2019/08/20 [10:55] 公開