九州高校野球 長崎商、海星は4強ならず…壱岐は神村学園に逆転負け

長崎新聞 2025/04/22 [11:00] 公開

【準々決勝、海星-西日本短付】5回0/31失点と力投した海星の柿原=県営ビッグNスタジアム

【準々決勝、海星-西日本短付】5回0/31失点と力投した海星の柿原=県営ビッグNスタジアム

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第156回九州地区高校野球大会第2、3日は20、21日、長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで1回戦と準々決勝が行われ、長崎県勢は海星と長崎商の2校が準々決勝に臨んだが、海星は西日本短大付(福岡)に0-6、長崎商も明豊(大分)に3-8で敗れ、4強入りはならなかった。

 海星は五回に1点を先制されると、六回に3四球と守備の乱れが続き、2安打で5点を失った。打線も散発3安打に抑えられて、得点できなかった。長崎商は四回2死一、三塁から、早川が先制の右前適時打を放ったが、五回に5安打を集中されて6失点。五、六回に1点ずつを返したものの、終盤に引き離された。

 20日は1回戦残り4試合を実施。長崎商はエース山口が昨秋の九州王者の沖縄尚学を3安打完封して、1-0で競り勝った。壱岐は神村学園(鹿児島)に4-7で逆転負け。五回まで4-2とリードしていたが、六回に一挙5点を奪われた。

 22日は休養日。第4日は23日、ビッグNで西日本短大付-エナジックスポーツ(沖縄)、神村学園-明豊の準決勝2試合を実施する。

◎完敗の中にも収穫 海星

 選抜8強の強豪に力の差を見せつけられた。4強入りした2022年の秋季大会以来の準々決勝に挑んだ海星は、西日本短大付(福岡)に0-6。加藤監督は「スピードやスイングで力負けしていた」と完敗を認めた。

 0-1の六回に一気に試合の大勢を決められた。西日本短大付は、無死一塁からマウンドに上がった海星の2番手檜垣の制球難、守備の乱れを見逃してくれない。失策や暴投に乗じて好機を広げ、適時三塁打などで5得点。対する海星打線は四回以降、三者凡退が続いた。

 一方で収穫はあった。先発柿原の力投だ。組み合わせが決まった時点で、指揮官がこの試合の先発起用を決めていた2年生右腕は五回まで1失点。毎回のように得点圏に走者を背負いながら、伸びのある直球に要所でカーブやスライダーを織り交ぜて踏ん張った。「ピンチのときにコースに決めきるのが自分の強み」という柿原を、指揮官は「期待以上の活躍」と評価した。

 最速150キロのエース陣内を欠く中で、県大会を制して九州8強まで勝ち進んだ春。チームは課題と収穫を得て、夏へ向かう。「チームが打てなくてもカバーできるように頑張っていきたい」と柿原。加藤監督は「(夏までは)まだ時間がある。積み上げていかないといけない」と冷静に本番を見据えた。