キャッシュレス決済を通じて長崎の未来を考えるセミナーが29日、長崎市片淵4丁目の長崎大経済学部であり、講演者は決済に伴う情報を県内で活用できる環境整備の必要性を説いた。
同学部教授らでつくるコンサルティング会社、出島リサーチ&コンサルツ(DRC)が県商工会連合会と共催。約50人が参加した。
DRC社長を務める須齋正幸教授(国際金融論)は、キャッシュレス決済事業者が人々の購買や移動などのデータを握ることから「こうした情報がなければ新たなビジネスや価値を生み出しにくい時代になった」と強調。情報を県外事業者に委ねて流出させるのではなく県内で管理するよう提言、高齢化社会に対応した健康情報管理や安否確認サービスを活用例に挙げた。
DRCの連携先で、時間貸し駐車場・カーシェアリング大手のパーク24(東京)が運営する「タイムズペイ」が紹介された。担当者はタブレット、カードリーダー、プリンターの3点セットを店舗に無料でレンタルし、通信費もかからず、分割払いに対応する特長をPRした。
長崎自動車(長崎市)の森下光年上席執行役員は、9月に発売する地域ICカード「エヌタスTカード」について「長崎で生まれたお金と情報を長崎で循環させることで、地域に貢献したい」と説明した。
情報で新たな価値を キャッシュレス決済で長崎の未来を考える
2019/07/31 [00:00] 公開