長崎県内の小中学生が25日、五島市玉之浦町のマグロ養殖業「ツナドリーム五島」の施設を見学し、いけすでの餌やりなどを体験した。同社は卵のふ化、稚魚の育成、産卵のサイクルを人工的に行う「完全養殖」に取り組んでおり、子どもたちは貴重な水産資源を守る大切さも学んだ。
県教委の日本の宝「しま」交流支援事業の一環。市内外の約60人が23~26日、市内で海水浴や釣り、トレッキングなどの活動を楽しみながら交流した。
ツナドリーム五島は豊田通商(名古屋市)の子会社として、2010年設立。太平洋クロマグロの漁獲規制が強まる中、完全養殖技術を確立した近畿大と連携し、50キロほどに育てた成魚を全国に出荷したり、幼魚のヨコワを他の養殖業者に販売したりしている。
中村光辰所長代理は小中学生を前に、太平洋のクロマグロが激減していることや、完全養殖の意義や難しさなどを説明。「マグロを食べる文化や、おいしいと喜ぶ子どもの笑顔を守りたいと養殖に取り組んでいる」と思いを語った。
その後、参加者は沖合のいけすに船で移動し、猛スピードで泳ぎ回るマグロを見学。水しぶきを上げて餌のイワシを食べる様子に驚き、歓声を上げていた。長崎市立橘中2年の郡山寛さん(13)は「マグロをいけすで飼えるのはすごい。今ある自然環境を大切に活用する取り組みで、マグロを大切に食べたいと思った」と話した。
群がるマグロに歓声 長崎県内の小中学生が養殖場見学 五島・玉之浦 水産資源を守る大切さも学ぶ
長崎新聞 2019/07/27 [00:05] 公開