世界の核弾頭1万3880発 減少も「質的軍拡進む」 長大レクナ推計 

2019/06/12 [11:10] 公開

世界の核弾頭数

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 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は11日、6月時点の世界の核弾頭数が1万3880発とする最新の推計結果を発表した。吉田文彦センター長は「前年(同月)比で570発しか減っていない。到底、核軍縮に大きな前進があったとはいえない」との見解を示した。
 各国専門機関の情報や研究者の文献を基に推計。吉田センター長や冨塚明准教授、中村桂子准教授らが同大で記者会見した。
 国別の推計数は、ロシア6500発、米国6185発と両国で全体の約91%を占めた。2013年の推計開始以来、米ロで計3500発減となったが、冨塚准教授は両国が核戦力の性能向上を狙う「核近代化計画」を速めているとして、「(データをまとめた)ポスターだけ見ると減っているが、米ロは質的な核軍拡を進めている」と述べた。
 米ロ以外の各国の核弾頭数はフランス300発、中国290発、英国215発、パキスタン150発、インド130発、イスラエル80発、北朝鮮20~30発。
 パキスタンとインドについて中村准教授は、両国が多種類の弾道ミサイルを配備、開発し、頻繁に発射実験を実施していると指摘。質・量ともに核の増強を進めているとして「印パ間の緊張は非常に高まっている。両国が核戦力を拡大していることを、日本でも注目すべきだ」と話した。
 同センターは、これらのデータをまとめたポスターを作製。全国の教育委員会や図書館などに配布し、平和教育に活用してもらうとしている。