九州文化学園男子サッカー部 今春創部、初挑戦 コーチにV長崎OB

2019/05/28 [10:25] 公開

「全力で楽しみたい」と意気込む九州文化学園男子サッカー部。右端の奥が元V長崎の有光コーチ、手前は山内コーチ=佐世保市総合グラウンド運動広場

「全力で楽しみたい」と意気込む九州文化学園男子サッカー部。右端の奥が元V長崎の有光コーチ、手前は山内コーチ=佐世保市総合グラウンド運動広場

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 今年で71回目を迎える県高校総合体育大会。数々のドラマが生まれてきた高校スポーツ最大の祭典に、今春創部したばかりの九州文化学園男子サッカー部が初挑戦する。部員数は初心者を含む17人ながら、コーチ陣にV・ファーレン長崎のOBらをそろえる気合の入れよう。「高校サッカーの強豪校を県北に」を合言葉に、ここから歴史を刻む。
 九州文化学園は2006年に女子校から男女共学となり、野球部をはじめ、男子の部活動が続々と誕生。当然、サッカー部を求める声も多かったが、練習場所や指導者の問題などから実現できずにいた。
 転機は昨年夏ごろ。長崎南などでサッカー部の監督を務めてきた新任の横田正俊校長が、翌年の創部を明言した。「せっかくなら野球部のように強くて人気の部活にしよう」。新校長はV長崎の主力として活躍して、現在は佐世保市のジュニアチーム「CAセレスト」の有光亮太代表、山内祐一コーチらを外部指導者として招いた。
 現在、県内の高校サッカー界は、県南地区に強豪校が集中している。有光代表は横田校長の思いを受け止めると同時に、もう一つのビジョンを描いてコーチを引き受けた。「自分のチームではいい選手を中学生までしか育てられない。九文だったら高校はもちろん、系列大学(長崎国際大)でも強いチームができるかもしれない」。可能性の大きさを感じた。
 チーム発足から約2カ月。お世辞にも強いとは言えず、決まった練習場所も確保できていない。グラウンドを求めて各地を転々とする日々だが、生徒たちは「サッカーができるだけで幸せ」「すごい人に教えてもらえてびっくり」と充実した部活生活を送っている。入学時から創部を待ち望んでいた3年生の前田達也主将は「これから先、きっと強くなっていくチーム。結果は後輩たちに任せて、自分たちは思い切りプレーするだけ」と気負いがない。
 県高総体の1回戦は6月1日、西彼杵と対戦する。チームにとって記念すべき初の公式戦。豪快に空振りしても、何点取られても気にしない。まずは全力でサッカーを楽しみにいく。