IPPNW世界大会 来年10月に長崎で初開催 医師らが核兵器廃絶議論

2024/06/14 [10:30] 公開

世界の医師らが、核戦争の防止や、核兵器廃絶などに向けて話し合う「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)の第24回世界大会が、被爆80年を迎える2025年10月に長崎市で開催されることが13日、分かった。世界大会は被爆地の広島で過去2回開かれているが、もう一つの被爆地長崎では初めて。
 長崎大会の運営事務局を担当する県医師会によると、25年10月に数日間の日程で開催。会場は出島メッセ長崎(尾上町)で、700人規模の参加を目指す。具体的な議題は調整中。会議やワークショップなどを通し、参加者が被爆者の証言を聞いたり、被爆の人体影響やロシアによるウクライナ侵攻などをテーマに議論を交わしたりする計画があるという。
 IPPNWは1980年、米国と旧ソ連の医師の呼びかけで発足。世界各国の医師らが所属し、核に関する医学的知識の普及に取り組んでいる。85年には「核戦争の壊滅的結末」に関して信頼できる情報と理解を広めたとして、ノーベル平和賞を受賞した。
 日本での世界大会はこれまでに、1989年と2012年にいずれも広島市で開いた。12年の第20回大会では、核兵器のない世界や東京電力福島第1原発事故などについて議論。核兵器や原発、ウラン採掘を含め「全ての核のチェーン(連鎖)は健康・環境・安全保障への危険に満ちている。二度と新たな被爆者を出してはならない」などとするアピールを発表した。
 IPPNW日本支部は23年4月にケニア・モンバサで開かれた第23回大会で、被爆80年となる25年は長崎での開催を目指すと表明していた。