沖縄県立コザ高で2021年1月、空手部主将だった2年の男子生徒=当時(17)=が顧問の教諭から暴言を受け自殺したのは、高校が適切な対処をしなかったためだとして、遺族が県に約1億3900万円の損害賠償を求めた訴訟は21日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)で和解が成立した。原告代理人によると県は計8200万円の和解金を支払う。
生徒の母親は取材に「県が過失を認めたことに大きな意味がある」と強調。「息子を亡くした苦しみや悲しみ、悔しさは一生消えない。社会全体が子供の苦しい部分に寄り添い、誰もこういう思いをしない環境になってほしい」と涙ぐんだ。
県教育委員会の半嶺満教育長は「教職員の不適切な指導で生徒の尊い命が失われることは絶対にあってはならない。人権を尊重した学校体制の構築に取り組む」とのコメントを発表した。
訴状によると、生徒は21年1月28日、部の稽古を切り上げ校外の道場に向かおうとした際、顧問から「キモい」「部活辞めろ」などの暴言を受け、翌日に橋桁から飛び降りた。