「手違い」送還、消極対応 米エルサルバドル首脳会談

共同通信 2025/04/15 [09:44] 公開

14日、米ホワイトハウスでエルサルバドルのブケレ大統領(左)と会談するトランプ大統領(ロイター=共同)

14日、米ホワイトハウスでエルサルバドルのブケレ大統領(左)と会談するトランプ大統領(ロイター=共同)

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 【ワシントン共同】トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスで中米エルサルバドルのブケレ大統領と会談した。米政権が3月に「手違い」でエルサルバドルに強制送還した移民男性の処遇を巡り、ブケレ氏は男性がギャングのメンバーだとする米政権の主張に沿い、米国への帰還を否定。米政権の閣僚も対応に消極的な姿勢を示した。

 米連邦最高裁が10日に男性の連れ戻しに取り組むよう命じていたが、ブケレ氏は「帰せない」と明言。首脳会談に同席したルビオ国務長官は「裁判所に外交政策を決定する権限はない」と語り、ボンディ司法長官は「男性は不法滞在者だった」と指摘した。

 男性はエルサルバドルでギャングに脅されていたとして2019年に亡命申請し、裁判所が退去保留の命令を出していた。米メディアによると、男性は米国人の妻と暮らしていた。適正な手続きを経ていない強制送還には法律専門家などから批判の声が上がっている。

 トランプ氏は米国の不法移民対策に協力するブケレ氏を称賛した。