長崎県北交通の大動脈となる西九州自動車道が今春から大きく変わる。佐世保市中心部の佐世保中央インターチェンジ(IC)と北松佐々町の佐々ICを結ぶ9・9キロの4車線化供用が今月23日からスタート。新年度中には、松浦IC-平戸ICを結ぶ7・5キロの供用が始まる予定。沿線自治体や事業者からは物流促進など県北経済の活性化につながると期待する声が大きく、佐世保市は工業団地の早期分譲の追い風になると見込む。現状を探った。
「4車線化で交通渋滞が解消され、物流の定時制や効率化が向上し、産業振興に貢献できる」
今月12日、4車線化の供用を前に、西九州高速道路(NEXCO西日本)が開いた報道陣向けの説明会。同社九州支社佐世保工事事務所の上野清所長は、4車線化が地域経済にもたらす効果に期待感を示した。
4車線化工事は、路面の舗装や中央分離帯の設置など最終段階。無料区間と有料区間が混在するため料金体系が変更されて複雑になる=グラフィック参照=が、沿線自治体からは企業誘致が進むことへの期待感が強い。
■トップセールス
同社や佐世保市によると、西九州道が佐世保大塔ICから北部方面に延びるにつれ、既存工業団地の分譲も活発化。2011年9月に佐々ICまで開通すると、佐々IC近くのウエストテクノ佐世保や鹿町工場適地などが次々に完売した。同市の企業立地担当者は「完売は延伸のおかげもある。4車線化になれば更なる投資と雇用創出につながるはず」と話す。
市が工業団地の分譲で次に狙うのは同市相浦町にある相浦工業団地(5・8ヘクタール)への誘致実現だ。19年の分譲開始以降、年間10社ほどが視察に訪れ、興味を示しているが、“成約”には至っていない。宮島大典市長は新年度の施政方針で「トップセールスを重ねて誘致実現に注力する」と意欲を示した。4車線化を追い風に、分譲への視界が開けるのか、注目が集まる。
■「販路拡大に道」
西九州道の全線開通に向けて、工事は区間ごとに着々と進む。松浦佐々道路(19・1キロ)のうち平戸IC-松浦IC間7・5キロも新年度中には開通する見込み。これで県内の西九州道は約8割が整備されることになる。
「時間短縮で鮮度のいい魚を競りに持って行ける」と同区間の開通を待ち望むのは平戸魚市場を拠点に生鮮魚介卸売業を営む松栄商店(松浦市)の山田五夫(いつお)社長(57)。普段は福岡県の久留米魚市場まで鮮魚などを運んでおり「松浦ICまでの時間が短縮され、さらに伊万里ICまで開通すれば福岡中心部への販路拡大の道も開ける」と話す。
平戸市は新年度に新しく工業団地を着工予定。27年度からの分譲開始を目指している。同区間の開通で福岡まで片道約2時間掛かっていたが、約10分の短縮が見込まれており、市企業立地推進室は「人と物の交流が加速することで地元特産品の福岡都市圏への流通拡大につながれば」と期待を寄せる。
■開通が夢と力に
ただ道路はすべてがつながってこそ、その機能を最大限発揮する。県内の西九州道が全線開通するには残りの約2割、平戸IC-江迎鹿町IC間(4・3キロ)と江迎鹿町IC-佐々IC間(7・3キロ)の2区間が完成しなければならない。用地買収がまだ済んでいない区間もあり、両区間とも完成には相当の年月がかかることが見込まれる。
「さまざまな可能性が広がる夢と力を与える生命線」。黒田成彦平戸市長は2月1日に同市であった建設促進大会で西九州道をこう表現した。人口減少に悩む県北に夢と力を与え、地域を救う道路となるのか、これからの工事の進捗(しんちょく)に注目が集まる。
「4車線化で交通渋滞が解消され、物流の定時制や効率化が向上し、産業振興に貢献できる」
今月12日、4車線化の供用を前に、西九州高速道路(NEXCO西日本)が開いた報道陣向けの説明会。同社九州支社佐世保工事事務所の上野清所長は、4車線化が地域経済にもたらす効果に期待感を示した。
4車線化工事は、路面の舗装や中央分離帯の設置など最終段階。無料区間と有料区間が混在するため料金体系が変更されて複雑になる=グラフィック参照=が、沿線自治体からは企業誘致が進むことへの期待感が強い。
■トップセールス
同社や佐世保市によると、西九州道が佐世保大塔ICから北部方面に延びるにつれ、既存工業団地の分譲も活発化。2011年9月に佐々ICまで開通すると、佐々IC近くのウエストテクノ佐世保や鹿町工場適地などが次々に完売した。同市の企業立地担当者は「完売は延伸のおかげもある。4車線化になれば更なる投資と雇用創出につながるはず」と話す。
市が工業団地の分譲で次に狙うのは同市相浦町にある相浦工業団地(5・8ヘクタール)への誘致実現だ。19年の分譲開始以降、年間10社ほどが視察に訪れ、興味を示しているが、“成約”には至っていない。宮島大典市長は新年度の施政方針で「トップセールスを重ねて誘致実現に注力する」と意欲を示した。4車線化を追い風に、分譲への視界が開けるのか、注目が集まる。
■「販路拡大に道」
西九州道の全線開通に向けて、工事は区間ごとに着々と進む。松浦佐々道路(19・1キロ)のうち平戸IC-松浦IC間7・5キロも新年度中には開通する見込み。これで県内の西九州道は約8割が整備されることになる。
「時間短縮で鮮度のいい魚を競りに持って行ける」と同区間の開通を待ち望むのは平戸魚市場を拠点に生鮮魚介卸売業を営む松栄商店(松浦市)の山田五夫(いつお)社長(57)。普段は福岡県の久留米魚市場まで鮮魚などを運んでおり「松浦ICまでの時間が短縮され、さらに伊万里ICまで開通すれば福岡中心部への販路拡大の道も開ける」と話す。
平戸市は新年度に新しく工業団地を着工予定。27年度からの分譲開始を目指している。同区間の開通で福岡まで片道約2時間掛かっていたが、約10分の短縮が見込まれており、市企業立地推進室は「人と物の交流が加速することで地元特産品の福岡都市圏への流通拡大につながれば」と期待を寄せる。
■開通が夢と力に
ただ道路はすべてがつながってこそ、その機能を最大限発揮する。県内の西九州道が全線開通するには残りの約2割、平戸IC-江迎鹿町IC間(4・3キロ)と江迎鹿町IC-佐々IC間(7・3キロ)の2区間が完成しなければならない。用地買収がまだ済んでいない区間もあり、両区間とも完成には相当の年月がかかることが見込まれる。
「さまざまな可能性が広がる夢と力を与える生命線」。黒田成彦平戸市長は2月1日に同市であった建設促進大会で西九州道をこう表現した。人口減少に悩む県北に夢と力を与え、地域を救う道路となるのか、これからの工事の進捗(しんちょく)に注目が集まる。