記事をふるさと教育に 長崎新聞と県教委など協定、授業外も許可不要に

2024/10/03 [09:57] 公開

協定を結んだ(右から)前川県教育長、西本会長、相川会長、菅沼会長、徳永社長=県庁

協定を結んだ(右から)前川県教育長、西本会長、相川会長、菅沼会長、徳永社長=県庁

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長崎新聞社は2日、県教委と県内各市町教委、県私立中学高等学校協会との間で「『新聞を活用したふるさと教育の充実』等に関する協定」を締結した。県内ほとんどの公私立の小中高校、特別支援学校計576校で、長崎新聞や同社発行の情報紙の記事が、ふるさと教育や学校のPRなどに幅広く利用できるようになる。県庁で締結式があり、同社の徳永英彦社長、前川謙介県教育長らが協定書に調印した。
 協定の対象となるのは公立小中高、特別支援学校計543校と私立中高33校。地域の話題や産業、文化、歴史などの情報を豊富に発信している地元紙の記事を通して子どもたちの郷土愛を育み、新聞にも親しんでもらう狙い。
 これまで、授業では記事を許可なしに無料で利用できたが、記事のコピー回覧や発行物への転載など、授業外の利用は同社の許諾を得る必要があった。協定により、学校ホームページやPTA広報紙などを含め、手続きなく無料で利用できるようになる。新聞紙面が対象でネットニュースなどデジタル素材は対象外。
 今後、学校現場では県教委が示した事例などを参考に運用。初年度は活用実績について情報を集め、同社などで効果を分析する。
 締結式にはほかに、県私立中学高等学校協会の菅沼宏比古会長、県町村教育長会の相川節子会長、県都市教育長協議会の西本德明会長が出席。5人がそれぞれ協定書に署名した。
 前川教育長は「授業だけでなく、全ての教育活動の場で記事の活用が可能になった。生徒の活躍や行事などの取り組みの掲示などが自由になり、学校の魅力を発信するツールとして大いに活用できると期待している」とあいさつ。
 徳永社長は、若者の県外流出や少子化の課題を念頭に「小学生や幼児の頃から、ふるさとに愛着が持てるような専門的な教育が必要。各学校は定員を確保するために、独自で対外的にアピールする必要性も生じる。記事が自由に使えることで力になれるのでは」と述べた。