【2月28日】山口周一副市長が辞意表明 南島原サテライトオフィス問題 長崎県

2025/02/28 [13:21] 公開

長崎県南島原市深江町の道の駅「ひまわり」に企業誘致のための「サテライトオフィス」を整備する事業が頓挫し、補助金9千万円が市に返還されていない問題で、山口周一副市長(77)は28日の市議会本会議で、3月31日付で辞職する意向を表明した。任期は2027年3月までだった。
 山口副市長は2月25日の市議会で「市長と相談して身の振り方を考える」と答弁していた。28日の市議会で「市政に混乱を招き、深くおわびしたい。結果として補助金が返還されない事態になり責任を痛感している」と謝罪した。
 山口副市長は県総務部理事など経て、15年1月から現職。市政運営を巡り、市議会は22年12月の定例会で3期目の再任案を賛成少数で不同意としたが、23年2月の同会で一転、賛成多数で同意した。
 サテライトオフィス事業を巡っては、市が事業者のエバーグリーン(佐世保市)から委任を取り付け、着工前の23年8月、補助金9千万円を施工業者の成和(福岡市)に送金。工事は資材や人手不足を理由に進まず、エバーグリーンが昨年5月に廃止を届け出た。市は補助金を返還するよう同社に命じたが、返還されていない。
 市議会が設置した調査特別委員会(百条委員会)は2月20日、調査結果を報告。山口副市長が松本政博市長や議会に報告せずに補助金支出の手続きを進めたと指摘し「行政のガバナンスを堅持すべき立場でありながら真逆の行動。行政運営の最上位で指示、裁可を行ったことが今回の事案の大きな要因」と厳しく批判していた。
 エバーグリーンが道の駅を取得した際、山口副市長と職員が計3千万円を同社に個人融資していたことも市議会や市民から疑問視されていた。
 市議会は同日、追加上程された松本市長の給与を3月1日から1年間半減する条例改正案を全会一致で可決した。