昨年3月に史上最年少で日本サッカー協会の第15代会長に就任した宮本恒靖氏(47)は、かつて日本代表主将として活躍した経歴でも知られる。協会が抱える課題のほか、長崎市出身の森保一監督(56)が率いる日本代表の評価や、J1昇格を目指すV・ファーレン長崎の印象についても語ってもらった。
-来県の目的は。
47都道府県のサッカー協会の人たちと顔を合わせて各地域の課題を聞いたり、こちらからの要望を伝える機会にしている。昨年9月に活動を始めて18府県目。
-各地を回って見えてきた課題や可能性は。
地域のサッカー協会は日本サッカー協会の補助金で運営してもらっている。ただ、それだけでは足りないから自主財源を確保してくださいとお願いしている。財源確保のノウハウがある協会もあれば、ないところもある。どうしても教員の方などが運営しているケースが多く、ビジネスの考え方を持った人との違いや難しさを感じている。
-財源を増やす方法は、例えばどんな事例があるのか。
茨城県は指定管理を受けているフットボールセンターで独自に看板を設置している。ただ広告をもらうだけでなく「育成いばらき」と掲げて、そのメソッドやパスウェイに共感してもらい、一緒にサッカーを盛り上げていきましょうと。育成に協力する人たちが集まる座組にして看板120個くらい、年間で2千万円以上の収入を得ている。
-長崎の一つの特色はV・ファーレン長崎だと思う。
町田ゼルビアは短期間でJ1昇格から優勝争いをした。(J1連覇の)神戸にしても、資金的なバックアップがある。そういう意味で長崎も注目される。(元日本代表の)山口蛍が入ってどういう変化が生まれるか。期待している。
-V長崎のマテウスは、2018年夏、G大阪監督に就任した際にチームに在籍していた。
(前任の)レヴィー・クルピ監督が連れてきた選手だが、当時のチームにフィットせず、すぐに移籍した。当時20歳くらいでスケールの大きさを感じた。昔からお調子もの。また日本に帰ってきて、印象的なゴールを決めてくれている。
-長崎には街なかに新スタジアムも完成した。
ポテンシャルがすごく高い。全国的に新スタジアムをつくる動きがある中で、どういったものを示してもらえるか。たくさんの人たちに使ってもらうのが理想だし、使用料が高いことも聞いている。「ユニクロサッカーキッズ」(都道府県サッカー協会が主催、ユニクロが支援する6歳以下の無料サッカーフェスティバル)なんかをあそこでやれたらいい。こちらも協力できると思う。日本代表のどのカテゴリーかを誘致して前座として利用してもらったりもできるかもしれない。
-ワールドカップ(W杯)出場決定目前の森保ジャパンについて。
欧州の強いクラブでプレーする選手が従来より多く、それだけではなかなか選んでもらえないし、そういう競争があるのが期待につながっている。前回のカタールW杯でクロアチアに敗れて、上に行けそうで行けなかった一つの理由は選手層だと思う。今は競争を促しながら2チームくらい編成できるようにずっとトライしている。そこの効果が見える。最終予選でもうまくいっているんじゃないか。
-森保監督の評価を。
しんがぶれない。そして、うまく自分の周りに優秀なスタッフを置きながら選手との対話を通じていいチームマネジメントをしている。
【略歴】みやもと・つねやす 大阪府出身。1995年にJリーグのG大阪入団。同時に同志社大に進学して2001年に卒業した。DFの要としてワールドカップ(W杯)の02年日韓大会と06年ドイツ大会に出場。日本代表で長く主将を務めた。国際Aマッチ71試合出場。引退後の18~21年にG大阪監督。22年に日本サッカー協会理事、23年に専務理事。24年3月から現職。47歳。
-来県の目的は。
47都道府県のサッカー協会の人たちと顔を合わせて各地域の課題を聞いたり、こちらからの要望を伝える機会にしている。昨年9月に活動を始めて18府県目。
-各地を回って見えてきた課題や可能性は。
地域のサッカー協会は日本サッカー協会の補助金で運営してもらっている。ただ、それだけでは足りないから自主財源を確保してくださいとお願いしている。財源確保のノウハウがある協会もあれば、ないところもある。どうしても教員の方などが運営しているケースが多く、ビジネスの考え方を持った人との違いや難しさを感じている。
-財源を増やす方法は、例えばどんな事例があるのか。
茨城県は指定管理を受けているフットボールセンターで独自に看板を設置している。ただ広告をもらうだけでなく「育成いばらき」と掲げて、そのメソッドやパスウェイに共感してもらい、一緒にサッカーを盛り上げていきましょうと。育成に協力する人たちが集まる座組にして看板120個くらい、年間で2千万円以上の収入を得ている。
-長崎の一つの特色はV・ファーレン長崎だと思う。
町田ゼルビアは短期間でJ1昇格から優勝争いをした。(J1連覇の)神戸にしても、資金的なバックアップがある。そういう意味で長崎も注目される。(元日本代表の)山口蛍が入ってどういう変化が生まれるか。期待している。
-V長崎のマテウスは、2018年夏、G大阪監督に就任した際にチームに在籍していた。
(前任の)レヴィー・クルピ監督が連れてきた選手だが、当時のチームにフィットせず、すぐに移籍した。当時20歳くらいでスケールの大きさを感じた。昔からお調子もの。また日本に帰ってきて、印象的なゴールを決めてくれている。
-長崎には街なかに新スタジアムも完成した。
ポテンシャルがすごく高い。全国的に新スタジアムをつくる動きがある中で、どういったものを示してもらえるか。たくさんの人たちに使ってもらうのが理想だし、使用料が高いことも聞いている。「ユニクロサッカーキッズ」(都道府県サッカー協会が主催、ユニクロが支援する6歳以下の無料サッカーフェスティバル)なんかをあそこでやれたらいい。こちらも協力できると思う。日本代表のどのカテゴリーかを誘致して前座として利用してもらったりもできるかもしれない。
-ワールドカップ(W杯)出場決定目前の森保ジャパンについて。
欧州の強いクラブでプレーする選手が従来より多く、それだけではなかなか選んでもらえないし、そういう競争があるのが期待につながっている。前回のカタールW杯でクロアチアに敗れて、上に行けそうで行けなかった一つの理由は選手層だと思う。今は競争を促しながら2チームくらい編成できるようにずっとトライしている。そこの効果が見える。最終予選でもうまくいっているんじゃないか。
-森保監督の評価を。
しんがぶれない。そして、うまく自分の周りに優秀なスタッフを置きながら選手との対話を通じていいチームマネジメントをしている。
【略歴】みやもと・つねやす 大阪府出身。1995年にJリーグのG大阪入団。同時に同志社大に進学して2001年に卒業した。DFの要としてワールドカップ(W杯)の02年日韓大会と06年ドイツ大会に出場。日本代表で長く主将を務めた。国際Aマッチ71試合出場。引退後の18~21年にG大阪監督。22年に日本サッカー協会理事、23年に専務理事。24年3月から現職。47歳。