長崎県長崎市古町の長崎古町教会で2日、同教会のルーツとされる幕末のオランダ人宣教師G・F・フルベッキ(1830~98年)の来崎記念碑の除幕式があり、信者ら約50人が参列した。
フルベッキは59年に長崎に上陸し、英語教育などに従事。明治維新後は上京して新政府の顧問を務めるなど、維新に貢献した外国人の一人として知られる。フルベッキを日本に派遣したプロテスタントの米国オランダ改革派教会が、1919(大正8)年に開設した伝道所が長崎古町教会の始まりで、100周年を記念して碑を建立した。
碑は高さ約1.1メートルの御影石製。幕末の庄内藩(現在の山形県酒田市)の洋学者、本間郡兵衛が描いた、フルベッキ夫妻の肖像画などが刻まれている。本間は来日初期のフルベッキに師事しながら日本語を教え、親しい間柄だった。
教会前庭であった除幕には、本間の子孫で肖像画を所蔵している本間利美さん(85)=同市=も参加。浅場知毅主任牧師(39)はあいさつで「フルベッキは何よりもキリスト教の伝道者として来日し、大きな働きをした。信仰を受け継ぎたい」と述べた。