衆院選27日投開票 「想定内」「間に合うか…」 長崎県内の各陣営、準備急ピッチ

2024/10/01 [10:45] 公開

解散が決まり、準備を急ぐ候補者の事務所=長崎市内(写真は一部加工)

解散が決まり、準備を急ぐ候補者の事務所=長崎市内(写真は一部加工)

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想定された日程で最速の衆院解散・総選挙を選んだ自民党の石破茂新総裁。9月30日の会見を受け、長崎県内では「想定内だ」と準備を加速させる立候補予定者もいれば、「チラシの注文もできていない。間に合うかどうか…」と焦りをにじませる陣営も。早期解散の理由に挙げられた選管の担当者からは「やれと言われれば準備するが、これからバタバタだ」とぼやきも漏れる。
 石破新総裁らの会見が始まった午後3時。佐世保市議の一人は「10月15日公示、27日投開票」に居ても立ってもいられず自民4区現職の事務所に飛び込んだ。
 現職が初陣を飾った昨年10月の4区補選では選対事務局長を務めた。秘書に矢継ぎ早に「とりあえず大まかなスケジュールを考えないと」「事務所開きの日にちは決まってたっけ?」。区割りが変わり、4区より広くなる新3区を網羅した地図をまじまじと見詰め、大きく息を吐いた。
 3区で現職に挑む立憲民主元職は「心の準備はしていた」と冷静な反応。ポスターや選挙カーの準備を急ピッチで進めるという。維新新人も「できるだけ早く有権者に訴えたかった」と話し、自身にねじを巻いた。
 国民現職に挑む1区の自民新人はあいさつ回りを終え、事務所に戻るとスマホを手に「いよいよ(日程が)決まりました。よろしくお願いします」と支援者に連絡。スタッフたちと慌ただしく今後の集会スケジュールを確認した。
 石破新総裁は会見で各自治体の選挙準備の観点から日程を判断したと説明。公示までは半月しかない。東彼3町のある選管担当者は「もう少し余裕を持ってほしかった。公民館が投票所になるのでイベントを延期せざるを得ない地域もでてくる」と話した。
 石破新総裁は当初、ある程度野党側と論戦を交わしてから解散を考えていたとされ、言動は早くも「変節」したようにも映る。諫早市の介護士、久保田紀子さん(55)は「裏金問題や統一教会について議論し、国民に説明を果たした後にしてほしかった」と残念がる。島原市青葉町の会社員、岡村利一さん(66)は「早めの解散は支持率が上がったタイミングで議席を確保しようとする自民の党利党略でしかない」と切り捨てた。