大石知事の政治資金問題 追及も大きな進展なく…複数議員「県政停滞」と指摘 長崎県議会一般質問

2024/09/21 [12:45] 公開

大石知事の政治資金問題への追及が相次いだ県議会一般質問=県議会議場

大石知事の政治資金問題への追及が相次いだ県議会一般質問=県議会議場

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長崎県の大石賢吾知事の政治資金問題を巡り、18日まで3日間の県議会一般質問で登壇した12議員の半数超が、2022年知事選で医療団体の寄付計286万円が大石氏側に流れた脱法的な「迂回(うかい)献金」疑惑などに触れ、知事の政治姿勢をただした。大石氏は「県民に心配をかけた」と改めて陳謝したが、疑惑を払拭できなかった先月の全員協議会(全協)の説明から、大きな進展はなかった。複数の議員は「県政の停滞を招いている」と指摘した。
 286万円は自民県議が代表を務める政党支部などを経由し大石氏の後援会へ流入。その後、県議側へ返金された。饗庭敦子議員(改革21)の質問に対し、大石氏は全協後も弁護士を介して知事選時の選対本部関係者10人近くに資金移動の状況を改めて確認したと説明。自民県議が「資金移動を指示した」とする選挙コンサルタントにも話を聞いたが「選対本部の誰かから相談を受けたものの、それ以上の記憶がないと回答を受けた」と述べた。
 医療団体に寄付を呼びかけた県医師連盟の会長からは「(県議の)政党支部への寄付だったと回答があった」と答弁。全協と同様の主張を繰り返し、迂回献金には当たらないとの認識を改めて示した。
 一方、疑惑への対応で今夏の核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会に合わせた大石氏の渡欧は副知事が代行。県はキャンセル料として19万6500円の支払いが発生したと明らかにした。
 全協での質疑は迂回献金疑惑に絞って行われたが、一般質問では他の疑惑も含めて議論。宮本法広議員(公明)は、大石氏が自身の後援会に2千万円を貸し付けて計655万円の返済金を受け取った疑惑などをただした。
 最大会派「自民」の代表、溝口芙美雄議員は「知事は強い危機感と緊張感を持って対応すべきだ」と苦言を呈した。
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 県議会は24日から常任委員会を開始。このうち総務、観光生活建設両委員会は30日に集中審査を開く方針を固めた。総務委は大石氏らを参考人として招致する方向で調整しており、一連の疑惑について真相究明が進むか注目される。
 自民と公明を除く4会派は20日、会合を開き、集中審査が正式決定した場合、審査を優先するため、議長に提出した調査特別委員会(百条委員会)設置動議を取り下げる方針を確認した。