V長崎 首位に浮上 いわきに3-1 21歳笠柳、大一番で存在感

2024/06/27 [10:30] 公開

【V長崎-いわき】後半4分、先制点を決め喜ぶV長崎の笠柳(右から2人目)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

【V長崎-いわき】後半4分、先制点を決め喜ぶV長崎の笠柳(右から2人目)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

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明治安田J2第19節最終日(26日・トランスコスモススタジアム長崎=1試合)V・ファーレン長崎はいわきを3-1で下し、通算13勝7分け1敗の勝ち点46として首位に浮上した。全チームの消化試合数がそろった上での首位は2020年9月以来、約4年ぶり。リーグ戦無敗記録も「19」に伸ばした。
 この試合は6月9日に実施予定だったが、V長崎が進出していたルヴァン杯プレーオフと日程が重なったため延期されていた。V長崎は22、23日の第21節終了時点で、1試合消化が少ない状況ながら首位横浜FCと勝ち点43で並んでいた。
 V長崎は後半4分、マルコスの右クロスを笠柳が右足で蹴り込んで先制した。12分には田中のロングパスに加藤が反応。相手DFの裏に抜け出してGKとの1対1を冷静に決めた。21分に失点して2-1と詰め寄られたが、39分にフアンマが増山の折り返しを頭で合わせて突き放した。
 第22節は29、30日、各地で計10試合を実施。V長崎は29日午後7時から徳島県鳴門市の鳴門ポカリスエットスタジアムで11位徳島と対戦する。

◎先制弾「練習通り理想のコース」
 24日に21歳の誕生日を迎えた笠柳の一発が、V・ファーレン長崎の首位浮上を呼び込んだ。いわきの守備陣をなかなか崩せずに迎えた後半4分。ペナルティーエリア外で右クロスをダイレクトシュート。会心の先制弾に、背番号33は「練習通りで理想のコースに打てた」と笑顔がはじけた。
 加入3年目。1年目はリーグ戦2試合、昨季は19試合と出場機会を増やし、今季は守備力を買われて開幕から全試合でピッチに立っている。ただ、ここまでゴールはわずかに1。試合前のミーティングで「エジガルなど外国籍には守備がきつくなる。(笠柳)翼や(加藤)大にゴールがほしい」と下平監督から名指しで奮起を促された。「やってやる」。静かに闘志を燃やしていた。
 得点シーンは自陣でボールを奪ってのカウンター。右サイドを抜け出すマルコスを見て、ゴール前に突っ込みすぎず、あえてペナルティーエリア外で待った。クロスが入ると、目の前にいた増山に「スルー」と要求。ダイレクトで右足を思い切り振り抜いた。少しカーブがかかったボールは、右ポストをたたいてゴールに吸い込まれた。
 2-0とした後に1点を失ったため、「決勝点」にこそならなかったが、若き成長株のゴールがV長崎の攻撃を勢いづけたことは間違いない。首位に立ったことで今後は追われる立場になる。自身へのマークもこれまで以上に厳しくなるかもしれないが、「個人目標は10点。これからは複数得点を取って勝たせる」ときっぱり。きっと、21歳の存在感はピッチの上で大きくなっていく。