平戸で長崎県内初、公共ライドシェア 長崎空港と市内を往復、観光協会など実証運行

2024/12/09 [11:00] 公開

黒田市長(左から2人目)から出迎えを受ける公共ライドシェアの利用客=平戸城

黒田市長(左から2人目)から出迎えを受ける公共ライドシェアの利用客=平戸城

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長崎県の平戸観光協会と平戸市などが連携して、交通空白地で地元の輸送資源を活用する「公共ライドシェア」の実証運行が始まり、7日、初の利用客を乗用車で長崎空港(大村市)から平戸市内まで送った。実証運行は県内で初めて。
 平戸市では同空港から市内まで直通する交通手段がないため、観光客の目的地選定に不利な状況にある。そのため、同協会が主体となり行政や地域企業と連携した組織「県平戸観光振興・共創プラットフォーム」を構築。公共ライドシェアに必要な公的関与の条件をクリアし、11月29日から実証運行を開始した。利用状況や利用客の意見を基に有効性やニーズを検証する。
 運行エリアは同市内全域と長崎空港間の往復。乗用車1台(定員最大6人、乗務員除く)を使用し、ドライバーは同市内の観光、公共交通の事業者が務める。専用の予約サイトから希望の日時、場所を指定して申し込むとドライバーが迎えに来る仕組み。運賃は目的地到着後、キャッシュレスで決済する。
 7日は平戸城天守閣前(岩の上町)で関係者らが歓迎セレモニーを開いた。韓国・仁川(インチョン)市から訪れた金賢善(キムヒョンソン)さん(58)、寶美(ボミ)さん(32)親子を同観光協会の藤澤美好会長、黒田成彦市長らが出迎え、花束などを手渡した。かくれキリシタンゆかりの地などを巡りたいという賢善さんは「個人でここまで来るのは難しかったと思う。ライドシェアは快適で便利だった」と話した。