長崎県五島市の福江空港の利用が好調だ。2023年度の乗降客数は17万3110人となり、03年度(17万768人)以来20年ぶりに17万人台を回復した。市はドラマ放映の影響などにより全国で「五島」の認知度が向上し、来島者が増加したと分析。県や民間と連携し、空港のさらなる利用促進を目指している。
福江空港ターミナルビルによると、乗降客数は1996年度の23万9882人をピークに減少傾向だったが、2017年度の有人国境離島法施行後、運賃低廉化や観光施策により回復。コロナ禍で一時は大幅に減少したが、本年度は10月末時点で前年同期比2・6%増の10万8805人と回復傾向にある。
同法では島民向けの運賃割引き、旅行商品の企画・開発、促進などの経費を支援。市は18年の世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録や、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、民放のテレビドラマ「ばらかもん」放映による知名度向上も要因に挙げる。
「2千メートルの滑走路と東アジアに近い地理的優位性を生かしたい」と国内外からの観光客誘致を目指す市。空港区分の引き上げにより、より大きい機体の就航が可能となり、団体ツアー誘致に向けた環境も整備された。富裕層向け遊覧ヘリ導入など新たな観光コンテンツも模索中だ。
一方、給油施設が未整備でチャーター機の往復可能圏域が関東の一部までに限られることや、梅雨時の濃霧による就航率低下が課題。給油施設整備に加え、就航率改善には航空機の着陸を誘導する装置「グライドスロープ」導入も望まれる。国が4月、防衛力強化を目的に同空港を「特定利用空港」に指定したことを受け、市は「県を通じて整備を国に要望したい」としている。
このほか、空港から島内への2次交通改善なども求められ、市や県、市観光協会などは課題の洗い出しを進めている。福江空港ターミナルビルの宮脇秀至社長は「空を玄関口とした潜在力は十分にある。利便性が向上すれば、さらに誘客が見込める」と期待する。
福江空港ターミナルビルによると、乗降客数は1996年度の23万9882人をピークに減少傾向だったが、2017年度の有人国境離島法施行後、運賃低廉化や観光施策により回復。コロナ禍で一時は大幅に減少したが、本年度は10月末時点で前年同期比2・6%増の10万8805人と回復傾向にある。
同法では島民向けの運賃割引き、旅行商品の企画・開発、促進などの経費を支援。市は18年の世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録や、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、民放のテレビドラマ「ばらかもん」放映による知名度向上も要因に挙げる。
「2千メートルの滑走路と東アジアに近い地理的優位性を生かしたい」と国内外からの観光客誘致を目指す市。空港区分の引き上げにより、より大きい機体の就航が可能となり、団体ツアー誘致に向けた環境も整備された。富裕層向け遊覧ヘリ導入など新たな観光コンテンツも模索中だ。
一方、給油施設が未整備でチャーター機の往復可能圏域が関東の一部までに限られることや、梅雨時の濃霧による就航率低下が課題。給油施設整備に加え、就航率改善には航空機の着陸を誘導する装置「グライドスロープ」導入も望まれる。国が4月、防衛力強化を目的に同空港を「特定利用空港」に指定したことを受け、市は「県を通じて整備を国に要望したい」としている。
このほか、空港から島内への2次交通改善なども求められ、市や県、市観光協会などは課題の洗い出しを進めている。福江空港ターミナルビルの宮脇秀至社長は「空を玄関口とした潜在力は十分にある。利便性が向上すれば、さらに誘客が見込める」と期待する。