長崎大BSL4 厚労省が年内にも施設指定 危険病原体の所持要件満たす

2024/11/16 [10:45] 公開

年内にも、危険度の高い病原体を所持できる施設に指定される見通しとなった長崎大のBSL4=2021年7月、同大坂本キャンパス

年内にも、危険度の高い病原体を所持できる施設に指定される見通しとなった長崎大のBSL4=2021年7月、同大坂本キャンパス

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エボラウイルスなど致死率の高い病原体を使った実験をするため、長崎大が稼働を目指す長崎市坂本1丁目の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、厚生労働省が必要な要件を満たしたと判断したことが15日、分かった。危険度の高い病原体を所持できる施設に、同大を加える感染症法施行令の改正手続きに同日入った。早ければ12月下旬に施行令を改正し、厚労相が指定する見通し。
 同大は6月、BSL4施設の指定に向け厚労省へ関係書類を提出。同省が現地調査など審査を進めていた。エボラウイルスなど「1種病原体」の所持施設は現行では国や独立行政法人に限定されており、同大を対象に追加する施行令改正が必要となる。
 同省は15日に改正案を公表し、来月14日までパブリックコメント(意見公募)を実施。これを踏まえて年内の改正を目指す。改正後、施設指定の手続きに移り、厚労相が指定すれば、1種病原体を研究目的で扱える日本初の施設となる。
 施設は2021年に同大坂本キャンパスに完成。国内には国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)にあるが、診断や治療の業務に限定している。