ノーベル平和賞 被団協に授賞通知届く 長崎・朝長氏にフォーラムで講演依頼

2024/10/18 [10:30] 公開

今年のノーベル平和賞に決まった日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に、ノルウェーのノーベル賞委員会から授賞通知書が届いていたことが17日、分かった。12月10日にノルウェー・オスロで開く授賞式に代表者を招き、記念講演を依頼する内容。同委員会はこれとは別に、被爆者医療に長年携わり、自身も被爆者の朝長万左男氏(81)を招待し、翌11日のフォーラムでの講演を依頼した。
 被団協によると、通知書は10月11日の賞発表後、同委員会からメールで届いた。記念講演は20分以内とし、賞金として総額1100万スウェーデンクローナ(約1億5千万円)を授与することも記載。被団協は出席者について「今後調整を進めたい」としている。
 一方、朝長氏によると、8月下旬、同委員会から原爆による放射線被害に関する医療の専門家として授賞式に招待するメールが届き、受諾したという。フォーラムでは核兵器の脅威などをテーマに議論が交わされる見通し。
 朝長氏は「原爆の放射線被害で、がんや白血病など病気の影響が生涯にわたり続くことを伝えたい。それが核兵器の非人道性の直接証明になる」としている。
 朝長氏は、1985年に平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)のメンバー。日赤長崎原爆病院名誉院長で、長崎の被爆者4団体の一つ、県被爆者手帳友の会会長も務めている。