国の重要文化財・山門に鯱瓦 長崎の聖福寺 塀を残し、修復ほぼ完了

2025/01/28 [11:56] 公開

長崎聖福寺山門に取り付けられる鯱瓦=長崎市

長崎聖福寺山門に取り付けられる鯱瓦=長崎市

  • 長崎聖福寺山門に取り付けられる鯱瓦=長崎市
  • 修復作業が進む長崎聖福寺山門。鯱瓦が屋根両脇に設置された
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国の重要文化財に指定され修復工事をしている長崎市玉園町の長崎聖福寺の山門に23日と27日、一対の鯱(しゃち)瓦が取り付けられた。屋根瓦が完成し、山門の修復は塀を残してほぼ完了した。
 聖福寺は1677年に創建された唐寺。2014年に本堂の大雄宝殿と天王殿、鐘楼、山門の4棟が国の重要文化財に指定された。4棟は300年以上が経過して老朽化しており、21年3月から10年の工期で修復工事が進められている。
 鯱瓦は大正時代以降は山門からなくなっていたが、明治時代までは設置されていたことを文化財建造物保存技術協会が写真で確認。
 明治期のその写真と、聖福寺の別棟の鯱瓦と、市内の別の寺に残っていた鯱瓦を参考に一対を復元した。
 鯱瓦は高さ約1メートル、幅約35センチ、奥行き約75センチ。重さは約70キロ。火よけのために一番高い屋根瓦の両端に取り付けられていたとみられる。27日は雨の中、正面から見て右の鯱瓦を取り付けた。作業員が専用の機械で引き揚げ、高さ約10メートル地点にある屋根の芯木に設置。銅線で固定した。
 4棟の修復費約18億5千万円のうち、3800万円が不足しているとして、聖福寺修復協力会(電090・8838・8067福島さん)が寄付を募っている。