長崎原爆資料館の入館者数 昨年度超えのペースで増加 ノーベル平和賞受賞など追い風に

2024/10/22 [12:30] 公開

被団協のノーベル平和賞決定を祝う看板=長崎市、長崎原爆資料館

被団協のノーベル平和賞決定を祝う看板=長崎市、長崎原爆資料館

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長崎市は21日、長崎原爆資料館(平野町)の本年度上半期(4~9月)の入館者数が、速報値で39万8402人となり、昨年度同期に比べ7・8%増えたと明らかにした。市は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞決定や、長崎スタジアムシティ開業効果により、「今後も順調な来館者数の増加が期待できる」としている。
 市によると、昨年度の入館者数75万8753人を上回るペースで、クルーズ客船の長崎入港数増加などが背景にあるとみられる。上半期の月別最多は修学旅行シーズンの5月の約10万6千人。次いで長崎原爆の日を迎えた8月は約6万8千人だった。
 入館者数の過去最多は同資料館が開館した1996年度の113万5436人。2010年代以降はおおむね年間65万~75万人前後で推移している。
 市は21日、被団協のノーベル平和賞決定を祝う看板を同資料館入り口に掲示した。縦180センチ、横120センチ。日本語と英語で「『核兵器のない世界』の実現に向け、世界が大きく舵(かじ)を切る契機となることを期待します」などと記している。
 井上琢治館長は「核兵器を巡る国際情勢が厳しさを増す中、今回の受賞を機に被団協と力を合わせ、被爆の実相の周知に努めていきたい」と話した。