元副学長、実態と異なる通勤手当受給の疑い…長崎県立大佐世保校 福岡の自宅で申請も徒歩圏内にアパート

長崎新聞 2025/04/23 [10:20] 公開

長崎県立大佐世保校(佐世保市川下町)で3月末まで副学長を務めていた女性教授(63)が、同大から徒歩圏内の場所にアパートを借りていたにもかかわらず、福岡市内の自宅から同大までの通勤手当を長年受給していた疑いがあるとして、同大が調査に乗り出していることが22日、分かった。同大によると、教授は代理人弁護士を通じて「アパートに住んでいたわけではない。不正な受給ではない」と主張しているという。

 同大によると、教授は福岡市内に自宅があり、大学に月額4万5千円の通勤手当を申請。ところが、同大から約1キロの佐世保市大潟町にアパートを借りて通勤し、実態と異なる通勤手当を受給していた疑いがあるという。

 同大は複数の報道機関からの問い合わせを受けて3月から調査を開始。少なくとも副学長に就任した2021年以降の通勤手当計約216万円について、正当な受給だったのか調べている。教授は現在、体調不良を理由に同大を休職している。

 同大は断続的に教授側に事実確認をしており、当初は「アパートは借りていない」と否定していた。その後、代理人弁護士を通じて、22日までにアパートを借りていたことを認めたという。一方で「月に4日程度しか使っておらず、基本的に福岡市内の自宅から通っていた」とし、通勤手当の受給は正当な行為と主張しているという。

 長崎新聞社は居住実態を調べるため4月上旬に大潟町のアパートを訪ねたが、既に引き払われていた。

 同大は教授からアパートのガス、水道料金の証明書の提出を受けており、今後さらに福岡-佐世保間の高速道路を利用した場合の明細書などの提出を求め、アパートでの居住実態を詳しく調べる方針。不正が認められれば処分を検討する。

 同大は「もし事実であれば許されない行為であり、確認を急いでいる」としている。