生成AI活用で業務効率化 長崎大とニーズウェル システム共同開発

2024/10/13 [11:00] 公開

デモンストレーションで研究開発の成果を披露する学生(左)とニーズウェルの担当者=長崎市文教町、長崎大

デモンストレーションで研究開発の成果を披露する学生(左)とニーズウェルの担当者=長崎市文教町、長崎大

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長崎大情報データ科学部の小林透教授(情報工学)の研究グループと、業務系ソフトウエア開発のニーズウェル(東京)は10日、生成人工知能(AI)を活用した業務効率化システムを共同開発したと発表した。入札資格診断と決算書作成をそれぞれ自動で行い、業務担当者の負担を9割削減することができるという。
 同社は1日から入札資格を診断する「QualiBot(クオリボット)」の提供を始めており、決算書を作成する「FSGen(エフエスジェン)」は来年1月を予定する。いずれも有償。
 QualiBotは、事務作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が入札案件の仕様書を情報サイトから取得。AIが学習した情報を分析・診断し、入札資格判定までに必要な大量の情報処理や診断を自動で行う。FSGenは、各種財務資料を学習したAIが決算報告書や説明資料などを作成する。
 両者は昨年11月に共同研究契約を締結。研究グループが生成AI活用に必要なプロンプト(指示文)の精度を高める研究を担い、長崎市内に開発拠点を置く同社が社内で導入して効果を検証してきた。
 社内での効果測定の結果、原文との比較でいずれも9割以上の精度を確認。QualiBotは年間約1千時間が約100時間に、FSGenは年間約155時間が約14時間に作業時間をそれぞれ削減できたという。
 同大であった報道機関向けの説明会では、同社の担当者と同研究グループの学生がデモンストレーション。同社の小座間達也常務執行役員は「長崎大の知見を得て精度を上げることができるのはメリット。今回の共同研究は12月までだが引き続き、他の効率化で一緒に新しいものを生み出していけたら」と話した。