B型肝炎の不安に対応 大村で28日 原告団が相談会

2024/09/27 [12:00] 公開

集団予防接種を原因とするB型肝炎を巡り、国に集団訴訟を起こしている長崎原告団・弁護団は28日、大村市東本町のミライon図書館で無料相談会を開く。原告団代表の杉山良輔さん(71)は「漠然と不安に感じていることなど気軽に話してほしい」としている。
 集団予防接種によるB型肝炎は注射器の回し打ちで引き起こされ、患者は全国に約45万人と推定されてきた。2006年、最高裁は国の責任を認定。一定の条件を満たせば、国に訴訟を起こし和解することで給付金を支給される。また、無症状の人は定期検査を無料で受けられる。
 県内在住者による長崎原告団はこれまで約580人が提訴し、現在は約9割が和解済みという。一方、全国では今も毎年提訴者が増えており、救済対象者の掘り起こしが課題となっている。無症状者も早期発見で重症化リスクを減らせるため、定期検査の無償化につながる訴訟は重要という。
 相談会では肝炎の症状や給付金などに関する基礎知識を説明。薬剤の価格などについて最新情報も共有する。その後、原告団や弁護士との質疑・相談を予定している。杉山さんは「身内にも話しづらいことがあると思う。当事者としてさまざまな悩みを聞くので、気持ちもすっきりしてもらえれば」と話した。
 相談会は28日午後2~4時。無料。10月26日には長崎市出島町の長崎タクシー会館で医療講演会を開催する。いずれも問い合わせは弁護団(電095・825・2231)。