【インタビュー】西部ガスホールディングス・加藤卓二社長「特色ある街、観光に期待」<2025長崎経済への視線②>

長崎新聞 2025/01/17 [12:23] 公開

「グループ会社一体で顧客とのつながりを強める」と話す加藤社長=福岡市、西部ガスHD本社

「グループ会社一体で顧客とのつながりを強める」と話す加藤社長=福岡市、西部ガスHD本社

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長崎は昔からの良さを残しつつ、長崎駅周辺などに新しいホテルが建ち、長崎スタジアムシティもできた。従来の観光名所と新しく開発されたエリア、どちらかに偏らず昔と今が融合する楽しみな街だ。ちょっと残念なのは人口が減少していること。街づくりが進めば人はもっと集まってくると思う。人の動きが大きい観光の振興に期待している。
 長崎地区と佐世保地区では、地域ごとにグループ会社が一体となり、顧客とのつながりの強化に向けた取り組みを考え、実行する会ができた。「西部ガスグループビジョン2030」のキーワードである「つながり」を実践する。西部ガス長崎、西部ガス佐世保を設け、両社に社長がいるのは地域により密着したいという意思表示でもある。行政も含めて関係を深めてもらい、地域ごとに独自の取り組みを進める形にしたい。
 デジタル化の中で、今は比較的若い世代向けに情報を発信しているが、もともとは顧客訪問をし、困り事を聴き取って解決するアナログの営業活動が中心だ。新型コロナウイルス禍で少し控えていたが、再開する。(ガス機器などを紹介する展示会の)ガス展も規模を拡大したいと考えている。
 北九州市にある液化天然ガス(LNG)貯蔵拠点「ひびきLNG基地」のタンク増設は、脱炭素へ向かう成長投資。出荷設備も増強する。まずは低炭素化への対応として、石炭や石油に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少ない天然ガスへの燃料転換需要を獲得していく。次の段階として、天然ガスを(CO2と水素でつくる)合成メタンに置き換え、(温室効果ガス排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを実現するというイメージだ。