【ミュンヘン共同】バンス米副大統領は14日、ドイツ南部ミュンヘンで始まったミュンヘン安全保障会議で演説し、欧州の同盟国がソーシャルメディアでの言論検閲や寛容な移民政策を進めていると批判した。「トランプ大統領は欧州の友人たちがより大きな役割を果たすべきだと考えている」と述べ、欧州各国に防衛費の増額を求めた。
バンス氏は「私が懸念する欧州の脅威はロシアでも中国でもない。内側からの脅威だ」と主張。ドイツやルーマニアへの内政干渉だと受け取れる発言もあり、トランプ米政権と欧州の同盟国との関係がぎくしゃくする可能性がある。
ドイツで「極右」と称される右派政党、ドイツのための選択肢(AfD)に対し、他党が連立や議会での協力を拒否していることを非難したほか、ルーマニア大統領選で親ロシア派の極右候補が首位になり、ロシアによる介入の可能性が指摘されて投票が無効になった例にも言及。ロシアのデジタル広告で揺らぐ民主主義は「もともと強固ではなかったのではないか」と述べた。