「金塊に換えて」詐欺に注意を 10都府県で9億円超の被害確認

共同通信 2025/04/19 [08:36] 公開

金地金詐欺への注意を呼びかけるポスター

金地金詐欺への注意を呼びかけるポスター

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 警察官らを名乗る人物から資産を金地金(金塊)に換えるよう指示され、だまし取られる詐欺被害が相次いでいる。警察庁によると昨年6~12月、少なくとも10都府県で21件計9億円超の被害を確認。金の価格高騰や持ち運びやすさが背景とされ、警察庁や貴金属店が注意を呼びかけ、対策にも乗り出した。

 「金融詐欺の逮捕状が出ている。身の潔白を証明するために資産を全て教えてほしい」。昨年6~7月、京都府の男性(69)に高知県警の警察官を名乗る男から電話があった。交流サイト(SNS)でやりとりを続けると「逮捕状」だとする画像も届いた。検察官を名乗る別の男の指示で、約1億円を7・4キロの金塊に換え自宅玄関に置くと、何者かに回収された。

 仙台市では昨年11~12月、70代女性が2億円相当の金塊約13キロの被害に。警察庁によると被害の10都府県21件のうち、京都が5件で最多だった。

 地金大手の田中貴金属工業(東京)によると、金の店頭販売価格は3月に1グラム当たり1万6千円を超え、5年前の3倍近くになっている。