時給「最低でも1500円」必要 長崎市で1人暮らしの25歳モデル 県労連が試算

2024/07/25 [11:00] 公開

長崎県労連は24日、若年労働者が本県で生活するのに最低限必要な費用とされる「最低生計費」の試算を発表した。それによると、長崎市内で1人暮らしをする25歳をモデルにした場合、時給は「少なくとも1500円」が必要とした。物価高や増税などの影響で、前回調査(2019年)に比べ時給で約150円上昇した。
 前回調査時に県労連の加盟労組員らに実施したアンケートから抽出したデータ(20~30代141人)を基に再試算した。衣料品価格や家賃相場の調査などを踏まえた。映像や音楽などのサブスクリプション(定額利用)費用、新型コロナ禍などの影響で参加頻度が減少している結婚式の費用なども考慮した。
 週休2日で有給休暇を取得するなど働き方に配慮した労働時間(月150時間)に換算すると1700円ほどが必要とした。月額では男性が25万2099円、女性は25万4263円(いずれも税金と社会保険料込み)。19年の結果から男性が約2万7千円、女性が約2万5千円上昇した。
 現在県の最低賃金は898円。調査を監修した静岡県立大短期大学部の中澤秀一准教授は、他県の最低生計費の調査結果から「全国どこでも最低生計費に大きな差はない」と指摘。「物価高騰に見合った賃上げをするためには、最低賃金を少なくとも1500円に全国一律で引き上げる必要がある」とした。
 県労連は、最低賃金について話し合う長崎地方最低賃金審議会に意見書を提出する予定。