ウクライナ出身のエゴール(長崎鶴洋)5位! 相撲・個人無差別級、全国高校選抜大会

長崎新聞 2025/03/17 [12:10] 公開

【相撲個人無差別級決勝トーナメント2回戦】攻め手を探るエゴール(長崎鶴洋、左)=春野総合運動公園相撲場

【相撲個人無差別級決勝トーナメント2回戦】攻め手を探るエゴール(長崎鶴洋、左)=春野総合運動公園相撲場

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全国高校選抜大会は15日、高知市の春野総合運動公園相撲場で相撲が始まり、長崎県勢は個人無差別級でウクライナ人留学生のエゴール・チュグン(長崎鶴洋)が5位入賞を果たした。エゴールは今大会の県勢入賞第1号となった。
 個人無差別級は227人が出場。予選1~3回戦を順当に勝ち上がったエゴールは、上位32人による決勝トーナメントの1回戦は寄り切り、2回戦は寄り倒して入賞を確定させた。準々決勝は寄り倒しで敗れた。全国主要大会の無差別級で県勢が入賞するのは、2007年佐賀インターハイ以来、18年ぶり。
 エゴールは団体(3人制)でも活躍。長崎鶴洋の先鋒を務め、予選3戦のいずれも白星を挙げた。チームは2勝1敗5点で32校による決勝トーナメント進出を決めた。
 16日は相撲の団体決勝トーナメントと個人体重別を実施する。

◎巨体生かし前へ ウクライナから避難して1年半

 戦渦のウクライナから約1年半前に長崎に避難してきた17歳の少年が、今大会の県勢入賞第1号をつかんだ。227人が出場した相撲個人無差別級で、エゴール(長崎鶴洋)が5位入賞。「うれしいです。やりたい相撲をできるようになってきた」。上達してきた日本語で喜びを語った。
 身長188センチ、体重180キロ。大会屈指の巨体で強豪校の選手たちを次々とねじ伏せた。「無理やり投げようとする悪い癖があったから、この1年半はとにかく前に出る意識を植え付けた」と髙橋修監督。その教えを忠実に守り、しっかりと上手を取って土俵の外に追いやった。
 前日の14日、大相撲で安青錦と獅司による幕内初のウクライナ人対決が実現。交流がある同郷力士の取組をテレビ中継で見て「いつかあの2人と戦いたい」とひときわやる気をみなぎらせていた。将来の横綱を夢見るホープは「きょうは満足だけど、僕のゴールは優勝です」と今夏の高校日本一を見据えた。