世界軍事費390兆円、伸び最大 24年、ウクライナ情勢など影響

共同通信 2025/04/28 [10:26] 公開

多連装ロケットシステムを整備するウクライナ兵=25日、東部ドネツク州(ゲッティ=共同)

多連装ロケットシステムを整備するウクライナ兵=25日、東部ドネツク州(ゲッティ=共同)

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 【ロンドン共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は28日、2024年の世界の軍事費(支出、一部推計)が前年比9・4%増の2兆7180億ドル(約390兆5千億円)だったと発表した。伸び率は統計を取り始めた1988年以降最大で、増加は10年連続となった。

 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東の戦火拡大をはじめ、世界的な緊張激化が要因で、世界で軍縮の流れは大きく後退している。SIPRIは今後数年間はさらなる増額が見込まれると予想した。

 国別では、1位の米国(9970億ドル)と2位の中国が全体のほぼ半分を占め、ロシア、ドイツ、インドが続いた。日本は21%増の553億ドルで、前年と同じ10位。8位のウクライナは2・9%増の647億ドルで、国内総生産(GDP)比34%となり、国別の割合で最も大きかった。

 3位のロシアは38%増の推計1490億ドル。24年予算支出の一部が機密扱いのため実際にはさらに多額の可能性が高い。