帰国のフィリピン前大統領を逮捕 「麻薬戦争」でICCが令状

共同通信 2025/03/11 [16:32] 公開

フィリピンのドゥテルテ前大統領

フィリピンのドゥテルテ前大統領

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 【マニラ共同】フィリピン大統領府は11日、香港からマニラの空港に同日到着したドゥテルテ前大統領(79)に対し、国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状を執行したと発表した。大統領府によると、在任中に進めた薬物犯罪対策「麻薬戦争」で多数の容疑者が超法規的に殺された問題に絡み、ICCが人道に対する罪の疑いで逮捕状を出していた。

 側近のボン・ゴー上院議員は、前大統領が空港に隣接する空軍基地に連行されたと記者団に説明。基地前では前大統領の支持者らが集まる中、盾を並べた警官隊が警護に当たった。

 前大統領にはフィリピン法務省も刑事訴追の可否を検討中。下院の合同委員会は昨年12月、麻薬戦争で容疑者3万人以上が超法規的に殺されたとして、前大統領らを訴追するよう勧告した。

 ドゥテルテ前大統領は9日、香港で開いた出稼ぎ労働者らとの政治集会で演説し「彼らが逮捕するのなら仕方ない。これが私の運命だ」と語った。麻薬戦争は「自分のためではなく、国家と子どものためにやった」とも主張していた。