全国大学生協連は28日、昨年秋に実施した第60回学生生活実態調査の結果を発表した。返済への不安などから奨学金受給者の割合が2019年以降最低となる一方、アルバイトの就労率は過去10年で最高に。物価高も背景に、お金に関して悩む実態が浮かんだ。
奨学金を「受給している」は28・6%で、前年に続き3割を下回った。返済不要な給付型は増えたが、貸与型が減った。バイトでは月7万円以上稼ぐ層が増加傾向に。時給単価引き上げなどの影響もあるが、労働時間の長さから、生協連は健康面や学業とのバランスが懸念されるとした。
日常生活の悩みでは「生活費やお金のこと」が46・8%で最多だった。自由記述欄には「1人暮らしだと生活が苦しい」など切実な声が寄せられた。一方で学生生活が「充実している」「まあ充実している」と答えた人は1~4年の全学年で9割超と過去最高。生協連の中森一朗専務理事は「水面下で格差が広がっているとみられ、一人一人の暮らしに目を向ける必要がある」と話した。