国内最大3370ヘクタール延焼 大船渡山林火災、住宅被害87棟

共同通信 2025/04/17 [17:17] 公開

煙が上がる岩手県大船渡市の山林火災現場=3月

煙が上がる岩手県大船渡市の山林火災現場=3月

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 岩手県大船渡市は17日、2月に発生した大規模山林火災を現地調査した結果、一部焼け残りを含む延焼範囲が約3370ヘクタールに上ったと発表した。これまでの約2900ヘクタールから上方修正し、平成以降で国内最大の山林火災であることが確定した。住宅被害は1棟増えて87棟となったほか、定置網の焼失など水産業の被害額は少なくとも16億円を超える見通し。

 被害面積はこれまで主に空からの調査だったが、総務省消防庁や地元消防が地上から調査した。同市三陸町綾里や赤崎町など4エリアの山林や集落周辺で延焼した跡が新たに確認され、面積は400ヘクタール以上増えた。一部は完全な焼失でなく焼け残っており、焼失面積でなく延焼範囲と表記を改めた。

 住宅被害は、一部損壊1棟を新たに確認。小屋や空き家など住宅以外を含めた建物被害は計222棟(うち全壊175棟)となった。

 水産業被害は定置網のほか、漁業倉庫や漁具の焼失など。農林業や観光業を含めた被害の全容は調査中。

 今月15日時点で57人が避難所に身を寄せている。