絶対王者にひるまず ボクシング・齊田(長崎鶴洋)4強ならず 北部九州総体

2024/08/12 [09:43] 公開

【ボクシング男子ミドル級準々決勝】齊田(右)の右がシルバを捉える=佐賀市、SAGAアリーナ

【ボクシング男子ミドル級準々決勝】齊田(右)の右がシルバを捉える=佐賀市、SAGAアリーナ

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長崎、大分、福岡、佐賀の4県を主会場とする全国高校総合体育大会(インターハイ=北部九州総体)は11日、各地で4競技が行われ、長崎県勢はローイングの女子シングルスカルの田中真緒(大村)、男子ダブルスカルの梶﨑悠志郎・西村南一紀組(同)の2艇が準決勝に進んだ。
 ボクシングの準々決勝に臨んだ男子ミドル級の齊田武翔(長崎鶴洋)は判定で敗れたが、県勢として6年ぶりの入賞を果たした。
 12日は各地でローイング、柔道など4競技を実施する。

◎充実感と悔しさと
 3月の全国選抜大会では3ラウンドRSCで負けた。今回は判定まで持っていって敗れた。「右のいいパンチも当てられたし、やってきたことは全部出し切った。悔いはない」。ボクシング男子ミドル級の齊田(長崎鶴洋)はそう言ったが、リングを下りて仲間にねぎらいを受けた時に流した涙が、違う感情を表していた。
 準々決勝で、昨春から高校タイトルを独占してきたシルバ(作新学院)と対戦。全国選抜の準々決勝で敗れた雪辱を期し、古賀監督は「きょうが決勝戦。自分を信じて闘おう」と送り出した。1ラウンドから距離を取り、足を使いながら左のジャブを当てていく。自分のスタイルを徹底し、ひるまず向かっていた。2、3ラウンドは押され、結果は判定5-0。だが、1ラウンドは齊田リードの「10-9」とつけたジャッジもいた。
 西泊中までは空手に打ち込んだ。高校入学から始めたボクシング。練習はきつかったが、それ以上に「心の底から楽しかった」。仲間にも恵まれ、日本一という目標もできた。ボクシングが「夢中になれるもの」だったからこそ強くなれた。
 高校ボクシングはこの大会で幕を閉じるが、進学して競技を続けるつもりだ。古賀監督は「悔しさがある方が伸びる。この借りは次のステップで」。5位入賞。悔しさと充実感を味わった18歳は、もっと、もっと上を目指して夢中になる。