拉致被害者父、有本明弘さん死去 96歳、恵子さんと再会果たせず

2025/02/17 [13:36] 公開

有本明弘さん

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 神戸市出身で英国留学中の1983年に北朝鮮に拉致された有本恵子さん=失踪当時(23)=の父明弘(あきひろ)さんが15日午前0時10分、老衰のため神戸市長田区の自宅で死去した。96歳。神戸市出身。遺族と支援団体が17日明らかにした。

 待ち望んできた恵子さんとの再会は果たせなかった。未帰国の政府認定被害者で、存命の親世代の拉致被害者家族会メンバーは、横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(89)だけとなった。明弘さんの遺族は神戸市内で記者会見し、長男隆史さん(62)が「多くの励ましを頂きながら運動してきたが、再会できないまま亡くなったのは残念」と話した。

 めぐみさんの弟で家族会代表の拓也さん(56)は「恵子さんに会わせてあげたかった。本当に残念。政府は速やかに日朝首脳会談を行い、全拉致被害者の即時一括帰国を実現してほしい」とのコメントを出した。

 恵子さんはロンドンに語学留学中だった83年、デンマークのコペンハーゲン経由で北朝鮮に連れ去られたとされる。