高齢男性がメモを片手に…郵便局員が詐欺被害を防止 長崎・新上五島署が感謝状

長崎新聞 2025/02/27 [12:05] 公開

感謝状を受け取った笹渕さん(中央)=新上五島町、浜ノ浦郵便局

感謝状を受け取った笹渕さん(中央)=新上五島町、浜ノ浦郵便局

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長崎県の新上五島署は19日、ニセ電話詐欺被害を防いだとして、新上五島町続浜ノ浦郷の浜ノ浦郵便局(木下清伸局長)の局員、笹渕貴子さん(51)に署長感謝状を贈った。
 同署などによると、2月6日、町内の高齢男性が「30万円を送金したい」と来局。ATMでの送金手順にとまどい、窓口を訪れた。応対した笹渕さんが、男性がメモを片手にATMを操作していたため理由を尋ねると、男性は「電話で業者を名乗る男から、昨年1月から携帯電話のクラウドの料金30万円が未払いで、支払わなければ裁判になると言われた」と説明。笹渕さんは詐欺を疑い、警察に連絡し、被害を食い止めた。
 男性は当初、コンビニで数回に分けて振り込むように言われていたが、近隣にコンビニがないと答えると「浜ノ浦郵便局で振り込み、その際局内に携帯電話を持ち込まないよう指示された」という。また、この話を口外しないよう、口止めもされていた。
 同局で田川国広署長から感謝状を受け取った笹渕さんは「身近でこんなことが起こるんだと実感した。高齢者が多い地区のため、これからもお客さまに寄り添いながら守っていく」と力を込めた。
 同署は、詐欺の手口は巧妙化しており、海外経由を表す「+81」で始まる電話番号には注意を呼びかけている。