全国初!VRで鎮守府を体感…させぼ立神近代化歴史公園 佐世保市教委、立神広場の整備本格化

長崎新聞 2025/04/14 [12:45] 公開

鎮守府時代の街を体感できるVRシアターのイメージ(佐世保市教委提供)

鎮守府時代の街を体感できるVRシアターのイメージ(佐世保市教委提供)

  • 鎮守府時代の街を体感できるVRシアターのイメージ(佐世保市教委提供)
  • させぼ立神近代化歴史公園として整備する立神広場=佐世保市立神町
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佐世保市教委は本年度、日本遺産「鎮守府・佐世保」の情報発信拠点となる立神広場(同市立神町)の整備を本格化する。広場内にガイダンス施設を新しく造り、鎮守府が置かれた明治時代から急速に近代化していく佐世保の街を体感できるVR(仮想現実)シアターを設置する。佐世保にゆかりが深い戦艦武蔵の操舵(そうだ)に見立てたハンドルを使って鎮守府の各所を探検できる全国初のVRにする。

 立神広場は約5千平方メートルで「させぼ立神近代化歴史公園」として整備する。敷地にはかつて旧海軍の弾薬包庫があり、鉛による土壌汚染が見つかったが、市教委は地表に露出しないよう封じ込める。本年度、ガイダンス施設や芝生広場などの工事を進め、2026年11月の供用開始を目指している。

 ガイダンス施設は、市内に点在する日本遺産の構成資産を周遊する際に役立つ情報を得られる。鎮守府と街の発展を写真中心の年表風グラフィックで紹介したり、鎮守府時代の代表的な技術者を知ることができる。佐世保とともに日本遺産に認定されている旧軍港の横須賀、呉、舞鶴の特徴も学ぶことができる。

 VRシアターは、かつて佐世保海軍工廠(こうしょう)で重要な整備をした戦艦武蔵が80年以上の時を経て帰ってきた-とのストーリー仕立て。再び佐世保で修復され、来場者を鎮守府各所を巡る“旅”へ誘う設定で構成資産の魅力を伝えていく。

 市教委は年間来場者の目標を4万1千人と見込む。自衛隊カレーなど佐世保ならではの飲食を楽しめるスペースを設けるほか、鎮守府にちなんだ物販の販売も計画。広場には立神音楽室として活用されていた弾薬包庫が現存しており、多目的スペースや、明治~大正の構造物を学べる体験展示、フォトスポットとして活用していきたい考え。

 市教委は「周遊スタンプラリーやライブコンサート、歴史を学べるセミナーなども検討しており、鎮守府構成資産の魅力を体感できる施設にしたい」としている。