長崎県対馬市の観音寺から盗まれた県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」の所有権を巡る問題は24日、返還手続きにこぎ着いた。盗難から約12年。実際の引き渡しは5月の予定だが、ようやく解決の見通しが立ったことに、対馬の関係者からは安堵(あんど)と喜びの声が上がった。
「確実に返ってくるまで心配もあるが、まずはひと安心」。観音寺の総代長、村瀬辰馬さん(70)は返還手続きが終わったことに胸をなで下ろした。仏像は韓国での「法要」の後に返還される予定で、その際は「みんなでお祝いしたい」と待ちわびる。
一方、比田勝尚喜市長はコメントを出し、「私たちの大切な文化財が地域に戻ってくることを大変うれしく思っている」と地元の声を代弁した。大石賢吾知事は定例会見で「関係各所の協力により、仏像が戻ったことについて本当にうれしく思う」と歓迎した。
仏像の盗難を巡っては、返還されないことに抗議し、江戸時代に朝鮮王朝が派遣した外交使節「朝鮮通信使」の行列を再現する友好イベントが2013年は中止される事態も。「自分の気持ちとしてはやりたかった。だが、(島民の感情を考えると)開催できる状況ではなかった」。行列を実施する「朝鮮通信使行列振興会」の当時会長だった稲田充さん(68)は「本当にうれしいのひと言。解決した上でイベントを実施するのは印象が違う」と感慨深げ。日韓の草の根レベルの交流が末永く続くことに期待を寄せた。
「確実に返ってくるまで心配もあるが、まずはひと安心」。観音寺の総代長、村瀬辰馬さん(70)は返還手続きが終わったことに胸をなで下ろした。仏像は韓国での「法要」の後に返還される予定で、その際は「みんなでお祝いしたい」と待ちわびる。
一方、比田勝尚喜市長はコメントを出し、「私たちの大切な文化財が地域に戻ってくることを大変うれしく思っている」と地元の声を代弁した。大石賢吾知事は定例会見で「関係各所の協力により、仏像が戻ったことについて本当にうれしく思う」と歓迎した。
仏像の盗難を巡っては、返還されないことに抗議し、江戸時代に朝鮮王朝が派遣した外交使節「朝鮮通信使」の行列を再現する友好イベントが2013年は中止される事態も。「自分の気持ちとしてはやりたかった。だが、(島民の感情を考えると)開催できる状況ではなかった」。行列を実施する「朝鮮通信使行列振興会」の当時会長だった稲田充さん(68)は「本当にうれしいのひと言。解決した上でイベントを実施するのは印象が違う」と感慨深げ。日韓の草の根レベルの交流が末永く続くことに期待を寄せた。