笑顔でたすきをつなぎきった。五島が男子9区間のうち三つの区間賞を獲得して男子3位と躍進。総合順位も女子終了時点の6位から4位に押し上げた。引退レースとなったアンカー的野(三菱重工)は「五島のみんなと走れて幸せ。気持ちのいい駅伝だった」。レース開始時の曇天から一転、青空が広がったトラスタで白い歯がこぼれた。
福江中3年時に全国中学大会中距離2冠に輝き、地元実業団の三菱重工で長く活躍してきた的野の存在がチームの士気を高めた。9区区間賞の松本凜(ひらまつ病院)は14、15日に佐賀県の郡市対抗県内一周駅伝大会にも出走。疲労が残る中で「憧れの先輩と走れるなら」と駆けつけた。12区で区間1位だった武石(鎮西学院高)も「目標の人と一緒に走りたい。少しでも前を走ってもらいたい」と力を振り絞った。
仲間の思いが染み込んだたすきをかけた的野は多くの応援を力に変えた。スタート直後に三菱重工のチームメートから「的野、楽しめ」と声援が飛ぶと左手を上げて応える。「ペース配分を間違えて、途中からしんどくなった」と言いながらも、そのスピードは他を寄せつけない。14区戸川(魚目中)から5位で受けたたすきを3位に引き上げ、両手を広げてゴールテープを切った。
ゴール後、すぐに囲まれて3度宙を舞った。次から次に握手を求められ、家族や支援者らから花束が贈られた。「みんなが地元のために一つになれる大会っていいですよね。この大会を現役引退レースにしてよかった。五島に恩返しができたと思う」。長崎を引っ張ってきた32歳のトップランナーの顔は充実感に満ちていた。
福江中3年時に全国中学大会中距離2冠に輝き、地元実業団の三菱重工で長く活躍してきた的野の存在がチームの士気を高めた。9区区間賞の松本凜(ひらまつ病院)は14、15日に佐賀県の郡市対抗県内一周駅伝大会にも出走。疲労が残る中で「憧れの先輩と走れるなら」と駆けつけた。12区で区間1位だった武石(鎮西学院高)も「目標の人と一緒に走りたい。少しでも前を走ってもらいたい」と力を振り絞った。
仲間の思いが染み込んだたすきをかけた的野は多くの応援を力に変えた。スタート直後に三菱重工のチームメートから「的野、楽しめ」と声援が飛ぶと左手を上げて応える。「ペース配分を間違えて、途中からしんどくなった」と言いながらも、そのスピードは他を寄せつけない。14区戸川(魚目中)から5位で受けたたすきを3位に引き上げ、両手を広げてゴールテープを切った。
ゴール後、すぐに囲まれて3度宙を舞った。次から次に握手を求められ、家族や支援者らから花束が贈られた。「みんなが地元のために一つになれる大会っていいですよね。この大会を現役引退レースにしてよかった。五島に恩返しができたと思う」。長崎を引っ張ってきた32歳のトップランナーの顔は充実感に満ちていた。