「ディズニーランドみたいな存在だった」-。運営業者の廃業や施設の老朽化などを理由に6日、半世紀を超える歴史に幕を下ろした浜屋百貨店(長崎市浜町)の屋上遊園地「プレイランド」。本紙の双方向型報道窓口「ナガサキポスト」で思い出や昔の写真を募ると、さまざまな年代の人から懐かしく幸せな記憶の数々が寄せられた。
長崎市の60代男性は遊具や観覧車で遊び、レストランでお子さまランチを食べたとし、「母と浜屋に行くのが楽しみだった」と幼少期を振り返った。「ディズニーランド」に例えた同市の50代女性は「昭和時代に帰る場所がなくなると思うと残念」と名残を惜しんだ。
屋上遊園地は甘酸っぱい青春の舞台にもなった。「生まれて初めてデートした場所」という大村市の50代女性は、映画を見た後、屋上に行くのが定番コースだった。「たわいもない話をした。今では昭和の淡い思い出」。諫早市の40代女性は学生時代に友人と訪れ、ゲームを楽しんだ。「何度も両替を繰り返していた。屋上には青春時代の思い出があった」
子育てを思い起こす人も。西彼長与町の60代女性は屋上遊園地で夫に子どもを託し、1人で買い物へ。「子育てには欠かせない場所だった」。長崎市の70代女性は、子どもに目が届く広さで遊ばせるにも安心だったとして「庶民のオアシスだった」と寄せた。
浜屋百貨店は1939年のオープン当初から屋上遊園地を設置。8階建てに増設後の74年ごろ現在の形になった。プレイランドは昨年12月から閉鎖し、5月2~6日に期間限定で屋上を開放して営業を終えた。アンケートはこの5日間に実施。県内の90人(男30、女58、未回答2)が回答し、50代が34人と最多だった。
浜屋の山野勝彦営業企画部長によると、営業期間中の5日間は客が従業員に感謝を伝える場面も多かった。「愛されていたことを改めて感じた。長い間お疲れさま」と、役割を終えた屋上遊園地にねぎらいの言葉を贈った。