衆院長崎3区補選 「自分の将来選べるように」 政治不信高まるも…投票率向上へ、学生ら活動 

2024/04/24 [11:10] 公開

投票率向上を呼びかけるチラシを手にするメンバー=大村市森園町

投票率向上を呼びかけるチラシを手にするメンバー=大村市森園町

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 衆院長崎3区補欠選挙は28日の投開票まで残り4日。21日時点の期日前投票率は前回より2.3ポイント低い3.25%となり、候補者陣営からは低投票率を懸念する声が聞かれる。そんな中、県内の大学生たちが投票率を上げようと活動を始めた。政治不信の高まりが指摘される中、未来へ向け行動する若者たちの声を聞いた。
 「若者の投票率が低いと言われるが、議員のイメージが悪い中で、いまだに裏金が出てくる。うわべで投票率を上げようと言っているだけなのかな。本当に変えるつもりはあるのかな」。県内の学生12人に今の政治への印象を尋ねると、鋭い本音が返ってきた。
 12人はNPO法人ドットジェイピー長崎支部のメンバー。長崎市内で21日開いたミーティングに記者も参加。「率直に今の政治への感想を教えてほしい」と問いかけた。
 同法人は議員事務所へのインターンシップなどを通じて、若者の政治参加を促す活動に取り組んでいる。12人は全員19、20歳。小学校に入る頃に東日本大震災を経験し、多くの時間を安倍政権下で過ごしてきた。
 補選の発端となった自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を含め、報道は悪いニュースばかり。「お金をちゃんと使えているのかなと疑問」「年功序列で若い人が台頭していけない」「よくなる未来が見えてこない」などと、マイナス点を指摘する声が続いた。
 「国政はとっつきにくい。県政、市政と比べて自分ごとに感じにくい」という意見や、「政策が若者に焦点が当たっていると感じられない」という感想もあった。この日は投票率が低い理由についても話し合い、「投票しても何か変わる実感がないから」という指摘が相次いだ。
 それでも、学生たちは投票率を上げようと行動する。支部代表の県立大2年、秋好洸弥さん(19)はインターンシップを通じ「地域課題を解決しようという人たちと関わり、自分たちも何かをやろうと思った」と話す。
 メンバー8人は23日朝、大村市の県立大村工業高周辺で「長崎の未来を選ぶのはあなた!」などと書かれたチラシを配った。チラシは裏面に引かれた折れ線に沿って折ると、紙飛行機になるデザイン。「政治に思いを届ける」という意味を込めた。
 たとえ政治への期待を持ちづらくても「自分たちが将来生きていく世の中を、自分ごととして選べるようにしたい」と秋好さん。メンバーは選挙期間中、JR大村駅前でも活動するという。