鎌倉時代の元寇(げんこう)で活躍した武士にゆかりのある7県の25市町・区が連携する「元寇所縁(ゆかり)のネットワーク」の発足式が22日、福岡市で開かれた。最初の「文永の役」(1274年)から今年750年となるのを機に、沈没船の発見例がある長崎県松浦市が呼びかけた。企画展の開催や「元寇カード」製作といった事業を通じて広くPRし、それぞれの地域活性化につなげる。
松浦市は、元軍と戦ったり防塁を築いたりした鎌倉武士の出身地などを調べ、関連が判明した自治体に趣意書送付や訪問を実施。このうち、神奈川県鎌倉市や熊本市などがネットワークに参加した。
発足式には24市町・区の首長らが出席。同ネットワーク会長の友田吉泰松浦市長は、「750年の節目に鎌倉武士の活躍を見つめ直して発信し、『一所懸命』に各自治体の活性化に向けて広がりを作っていこう」とあいさつした。
ネットワークでは、元寇に関する史料の相互貸し出しや企画展を通じ地域住民に周知を図るほか、鎌倉武士や文化財などと自治体の紹介文を記した「元寇カード」の製作、スタンプラリーなどを予定。次年度以降の計画に、元寇や地域の歴史を学び発表する「元寇子どもサミット」開催や漫画制作を盛り込み、首長らが意見交換した。友田会長は「弘安の役」(1281年)の節目も見据えて取り組みを進めたいとの考えを述べた。
「モンゴル襲来と鎌倉武士たち」と題した記念講演もあり、九州大の佐伯弘次名誉教授が襲来の背景などについて解説した。
元寇ゆかりの25市町・区が連携 長崎・松浦市が呼びかけ 福岡で発足式、地域活性化へ
2024/04/23 [10:40] 公開