長崎市が自衛官募集に関する自衛隊の求めに応じ、同市の住民基本台帳に記載される18歳と22歳の個人情報の提供を本年度から始めることが15日、分かった。自衛官募集時の自治体の個人情報提供について、問題ないとする国の見解が示されたため。市は提供を望まない人の除外申請を6月14日まで受け付ける。
自衛官や自衛官候補生の募集事務は市町村の法定受託事務と定められ、自衛隊法施行令は防衛相が首長に「必要な報告または資料の提出を求めることができる」と規定している。これを根拠に防衛相や自衛隊は例年、各市町村に募集対象者情報の提供を求めている。
一方、住民基本台帳法では台帳の閲覧請求は可能だが写しの提供は明文化しておらず、自治体によって対応が分かれていた。同市ではこれまで、自衛隊職員が住民基本台帳を閲覧し、募集対象者の情報を書き写していた。
昨年4月に個人情報保護法が地方自治体の個人情報取り扱いに適用されたのに伴い、国の個人情報保護委員会が、自治体の募集対象者の個人情報提供は「法令に基づく」との見解を示した。これを踏まえ市は本年度から、高校と4年制大学の卒業生が多い18、22歳を対象に自衛隊へ住所と氏名を提供することにした。
市によると、氏名と住所を記した宛名ラベルとして提供し、自衛隊からのダイレクトメールだけに使用される。情報提供の形式が変わるため、市は公式サイト、広報紙、広報番組、公式LINE(ライン)で周知する。
「個人情報提供を望まない人への配慮」として、提供前に本人か保護者からの除外申請を、郵送か市のホームページで受け付けるとしている。
「18歳と22歳個人情報」自衛隊に本年度から提供 除外申請、6月14日まで 長崎市
2024/04/16 [11:00] 公開