長崎県南松浦郡新上五島町のバイオ系企業「ブルーサイエンティフィック新上五島」(BSCI)は、健康や美容の機能性で注目される色素「フコキサンチン」や五島産のつばき油などを使用したスキンケア用品を開発した。同社の商品化第1号で、4月中旬からホームページでオンライン販売する予定。
同社は2018年、同町の活性化や雇用創出などを目指し、地元企業の代表者らを中心に設立。21年4月に事業を開始した。微細藻類を培養し、化粧品や健康食品に利用できる高品質のフコキサンチン原料の生産に成功。事業拠点の微細藻類生産施設は、町が国の交付金を活用し旧北魚目中の校舎などに整備した。
開発したのは化粧水と美容クリーム。いずれもベルガモットのかんきつ系の香りで、県産のビワ葉やイチゴから抽出したエキスなども配合した。容器には、フコキサンチンを生産できる微細藻類のデザインをあしらった。
健康食品も開発中。新年度、県外からの移住者も含め3人を雇用する。
28日、柴田久直社長らが県庁を訪れ、大石賢吾知事らに商品をお披露目。大石知事は「地域性やストーリー性もあり、良いものが五島から生まれた。県としても新たな特産品として広げていけるよう努力したい」とたたえた。
柴田社長は「地元の若い人に、島に残って誇りをもって働いてほしいというのが全員の気持ち。5年かかったが、やっと念願の商品ができた」と話した。