第30回全国都道府県対抗男子駅伝大会は19日、広島市の平和記念公園前発着コース(7区間48キロ)で行われ、長崎は2時間20分24秒の17位でフィニッシュした。レースは長野が2時間16分55秒の大会新記録でトップゴール。コロナ禍で中止となった2021、22年を挟んで、4大会連続11度目の優勝を飾った。
長崎は1区牟田颯太(鎮西学院高)が22位でスタート。以降は20位台後半まで順位を落としたが、5区牟田凜太(同)の区間12位などで徐々に順位を上げ、22位でたすきを受けた向晃平(マツダ、鎮西学院高出身)が区間6位の好走で5人を抜いてゴールした。
長野は1区浜口大和(佐久長聖高)が首位発進。3区で7位に後退したが、5区佐々木哲(同)の区間新の快走で再び先頭に立つと、その後は独走でゴールした。千葉が過去最高の2位。3位に福島、4位に広島、5位に埼玉が続き、佐賀が5年ぶりの入賞となる6位に入った。
この日は今年の箱根駅伝を制した青学大から7人が出走。うち優勝メンバーは5人で、黒田朝日が岡山、白石光星が宮城、田中悠登が福井、若林宏樹が和歌山、鶴川正也が熊本でたすきをつないで古里に貢献した。
◎ふるさと選手の向(マツダ) “地元”広島で5人抜きの快走
ずっと20位台でくすぶっていたたすきを、アンカーがぐんと引き上げた。長崎は7区向(マツダ)が鮮やかに5人を抜いて17位でゴールに飛び込んだ。「ナイスラン」「ありがとう」。3大会連続で10位台を守り、難しい表情でレースを見守っていた選手やスタッフたちの顔がほころんだ。
我慢のレースが続いた。「悪くても20位以内」と予想していた1区牟田颯が22位に甘んじた。以降、中高生が踏ん張ったものの、浮上のきっかけをつかめなかった。
救世主となったのがふるさと選手で28歳の向。広島に在住しており「下見で3回くらいジョギングした」というコースを区間6位で走破した。身長164センチの小柄なランナーは連続した坂道を軽快に上り、下り坂で呼吸を整え、前を行く選手たちを次々と抜き去った。
向にとっては験がいい大会だ。鎮西学院高3年時に初めて出場した2014年大会の5区で区間賞。以来、11年ぶりの出場を恩師の入江監督(鎮西学院高教)に請われ、快諾した。「陸上人生の中で県を代表して走る機会がほとんどなくて。だからもう、うれしさと楽しさでいっぱい。思い入れが違った」。実業団のレースとはひと味違う思いを胸に、長崎のユニホームで、沿道から約31万人が声援を送った“地元”の広島を快走した。
入江監督は「いい顔で走っていた。本当にありがとうしかない」と教え子へ感謝が尽きない。一方で「いい意味でも悪い意味でも10位台に定着してきた。やはり中高生が足りない」と上位チームとの差も口にする。
中学時代から県のトップを走り続けた牟田兄弟がこの春、卒業する。長崎の課題がより一層、浮き彫りになる中、ジュニア強化に本腰を入れて2019年以来8度目の入賞に再チャレンジする。
長崎は1区牟田颯太(鎮西学院高)が22位でスタート。以降は20位台後半まで順位を落としたが、5区牟田凜太(同)の区間12位などで徐々に順位を上げ、22位でたすきを受けた向晃平(マツダ、鎮西学院高出身)が区間6位の好走で5人を抜いてゴールした。
長野は1区浜口大和(佐久長聖高)が首位発進。3区で7位に後退したが、5区佐々木哲(同)の区間新の快走で再び先頭に立つと、その後は独走でゴールした。千葉が過去最高の2位。3位に福島、4位に広島、5位に埼玉が続き、佐賀が5年ぶりの入賞となる6位に入った。
この日は今年の箱根駅伝を制した青学大から7人が出走。うち優勝メンバーは5人で、黒田朝日が岡山、白石光星が宮城、田中悠登が福井、若林宏樹が和歌山、鶴川正也が熊本でたすきをつないで古里に貢献した。
◎ふるさと選手の向(マツダ) “地元”広島で5人抜きの快走
ずっと20位台でくすぶっていたたすきを、アンカーがぐんと引き上げた。長崎は7区向(マツダ)が鮮やかに5人を抜いて17位でゴールに飛び込んだ。「ナイスラン」「ありがとう」。3大会連続で10位台を守り、難しい表情でレースを見守っていた選手やスタッフたちの顔がほころんだ。
我慢のレースが続いた。「悪くても20位以内」と予想していた1区牟田颯が22位に甘んじた。以降、中高生が踏ん張ったものの、浮上のきっかけをつかめなかった。
救世主となったのがふるさと選手で28歳の向。広島に在住しており「下見で3回くらいジョギングした」というコースを区間6位で走破した。身長164センチの小柄なランナーは連続した坂道を軽快に上り、下り坂で呼吸を整え、前を行く選手たちを次々と抜き去った。
向にとっては験がいい大会だ。鎮西学院高3年時に初めて出場した2014年大会の5区で区間賞。以来、11年ぶりの出場を恩師の入江監督(鎮西学院高教)に請われ、快諾した。「陸上人生の中で県を代表して走る機会がほとんどなくて。だからもう、うれしさと楽しさでいっぱい。思い入れが違った」。実業団のレースとはひと味違う思いを胸に、長崎のユニホームで、沿道から約31万人が声援を送った“地元”の広島を快走した。
入江監督は「いい顔で走っていた。本当にありがとうしかない」と教え子へ感謝が尽きない。一方で「いい意味でも悪い意味でも10位台に定着してきた。やはり中高生が足りない」と上位チームとの差も口にする。
中学時代から県のトップを走り続けた牟田兄弟がこの春、卒業する。長崎の課題がより一層、浮き彫りになる中、ジュニア強化に本腰を入れて2019年以来8度目の入賞に再チャレンジする。