第52回全日本実業団ハーフマラソンは11日、山口市の維新みらいふスタジアム発着コースで行われ、長崎県勢は女子の永友優雅(メモリード)が1時間10分34秒で5位に入った。永友は38歳で、35~39歳のマスターズ日本新記録に認定される見込み。樺沢和佳奈(三井住友海上)が1時間10分13秒で優勝した。
男子は四釜峻佑(ロジスティード)が1時間0分41秒で制した。昨年、日本人最高の3位に入った近藤亮太(三菱重工)は1時間2分8秒の48位。向晃平(マツダ、鎮西学院高出身)は12位、扇育(マツダ、松浦高出身)は29位だった。
女子10キロの部は森智香子(積水化学、諫早高出身)が32分51秒で優勝。藤丸結(十八親和銀行)が33分0秒で7位に入った。
◎38歳永友 全国初入賞
10~20代の精鋭が集うレースで、今月16日に39歳の誕生日を迎える永友(メモリード)が5位に割って入った。長崎県南島原市で子育て中心の暮らしをしながら、隙間時間を見つけて走る異色のランナー。「きょうは息子も地元のサッカー大会で優勝できた。早く帰ってお祝い」と親子での活躍を喜んでいた。
10人ほどの先頭集団で15キロを通過。残り5キロのペースアップで他選手が振り落とされる中「前をいい感じで追える」と5キロ16分30秒台のペースを維持して、自身初の全国入賞につなげた。毎朝17キロのロードワークで培ったスタミナが生きた。
今年は好調が続いている。1月21日の奥球磨ロードレース(熊本)で自己ベストを3分近く縮める1時間12分38秒をマークして2位。この記録は35~39歳のマスターズ日本記録に申請中で、今回はさらに2分以上更新する1時間10分34秒でのゴールとなった。1月末の郡市対抗県下一周駅伝もアンカー5キロを区間2位で走っていた。
口加高を卒業後、過度な節制から体調を崩して一度は競技を離れた過去を持つ。結婚や4度の出産を経て趣味感覚でランニングを再開すると、みるみる頭角を現して今ではマスターズの域を超える存在に。経験から学び、家族の健康を第一に考えた生活や食事を追求していることが競技面でも功を奏しているという。
目覚ましい活躍にも「結果に全然こだわりがなく、毎回ただ楽しみに走ってるだけ」といたってマイペースだ。来週、再来週は地域の駅伝やロードレースを走り、3月10日の名古屋ウィメンズマラソンに挑戦する予定。周囲の期待をよそに、ママさんランナーは無欲で42キロを走る。