「珍しい」イルカの群れ 長崎の戸石・牧島 

2024/02/11 [15:18] 公開

ハンドウイルカとみられるイルカの群れ。豪快にジャンプする姿も見られた=2月2日午後5時18分、長崎市の牧戸橋から西に約500㍍

ハンドウイルカとみられるイルカの群れ。豪快にジャンプする姿も見られた=2月2日午後5時18分、長崎市の牧戸橋から西に約500㍍

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 「戸石と牧島の間でイルカが20頭ぐらい泳いでます。こんなことは初めて」-。
 2月2日午後4時半過ぎ、長崎市戸石町の漁業、里康憲さん(73)から長崎新聞社に一報が入った。日没も近い。急がねば。同市茂里町から記者2人が現場に向かい、同5時13分に到着すると、10人以上集まっていた。岸から約200㍍先で、イルカが跳ねたり潜ったりする姿が確認できた。写真や動画を撮影する10分足らずの間に遠ざかり、西側の網場方面へと移動していった。
 最初に見つけたのは、同市戸石町の会社員、寺下尚希さん(38)。自船の整備をしていた午後0時半ごろ、群れで泳ぐイルカに気付いたという。「これは珍しい」。駆けつけた里さんには「何十年も前、同じ場所に1頭迷い込んだ記憶がある」そうだ。
 佐世保市の九十九島水族館(海きらら)イルカ課の森亮也さんによると、背びれがあることや体の大きさ、ふっくらした体形から「種類は海きららのイルカと同じハンドウイルカとみられる。餌となる魚を追って入ってきたのかもしれない」と話した。
 「少し前まで、すぐ近くでジャンプしよったとよ」と興奮気味の里さん。漁業者にとってイルカは宿敵のはずだが「珍しい光景に何だか運が開けた気分。皆さんが喜んでくれたのがうれしい」と話し、自ら撮影した写真を何度も見返していた。