陸上の女子アスリートを対象にした練習会「長崎スターレディースキャンプ」が、諫早市宇都町のトランスコスモススタジアム長崎で開かれた。長崎陸協が2017年に始め、コロナ禍を挟んで10回目の開催。過去最多の選手202人が参加した。中学生から一般まで幅広い年代の選手が、チームや年齢の垣根を越えて一緒に汗を流した。
“女性による女性のための練習会”で、指導陣もほぼ女性で固めている。「タテヨコ」のつながりを強めるほか、女性指導者の育成、普及につなげる狙いがある。
1月27日にあった今回は七種競技日本記録保持者の山﨑有紀選手(スズキ、長崎南高出身)が指導に加わったのをはじめ、一般選手や関東を拠点にする現役の大学生選手も複数参加。種目別の専門練習をした後、全員リレーでバトンをつないだ。
午後は長崎大学病院の産婦人科医で県スポーツ医科学委員も務める北島百合子氏による講習会も開催。エネルギー不足が無月経につながり、それがけがを引き起こす原因になり得ることなど正しい知識を提供した。アスリートの子を持つ保護者15人も聴講した。
22年はインターハイ、国体ともに県内高校生の入賞者はいなかったが、22年12月にレディースキャンプを3年ぶりに開催し、受講者の中から昨夏の北海道インターハイや昨秋の鹿児島国体の入賞者を出している。
取り組みの中心となっている純心女子高の山本久美子監督は「練習会が少しずつ普及していってうれしい。月経の話は初めて知った、もっと早く知りたかったという声が多くあって、実りあるものになった。大学生にウオーミングアップを任せたりして、彼女たちにとっても将来、指導者を目指す上でいい体験になったはず」と手応えを感じている様子だった。今後も定期的に開く予定。